会社員時代3

      2016/04/06

マーケティング調査に携わるようになってすぐの頃は、楽しい仕事とはとても思えなかった。そもそもなんで自分が、子会社とはいえ調査会社にいるのか、まだ釈然とはしていなかった。
さらにそこはリクルートだから、「目標」という数字を追いかけなければいけない。これはやはりつらかった。

元来マーケティング調査というものは、納品までの足が長い。だから大きな案件を1つ抱えると、どうしてもそれにかかりきりになってしまう。そうして新規の営業を疎かにしていると、案件の納品後、何も仕事ないという暗黒の状態に陥る。
仕事がないという恐怖感。もちろん逃げることはできない。だから、大型案件を抱えていようが、常に新しい仕掛けをしなければならない。

そのリズム感が身につくまでは、本当につらかった。つらかったけれども、それを乗り越えたから今がある。
世間で重宝されることが多いリクルート出身者であるけれど、一般と異なることがあるとするなら、

仕事をいただく

ということに対するスタンスではないかと思う。数字がないことに対する恐怖感が、仕事をいただける、お声がかかる有り難みを増幅させる。

当時売っていたのは、FAXを利用した調査。最短で1週間で納品できますということがセールスポイント。今であればネットでパパッとできるけれど、当時はFAX調査が最短だった。

ネット調査会社がない時代、普通の調査会社は報告書の納品は、早くても2~3か月、下手をすれば半年ということもザラだった。そこをわれわれの部隊は、報告書まで作って1週間程度で納品するということをやっていた。

今でも覚えているのは、ある家電メーカーの報告書は、データがあがってから、24時間で報告書まで作った。
たしか1991年の秋くらい。なぜ覚えているかというと、その年に結婚したから(笑)。報告書の制作に入る前に、いろいろと下準備をしてけば、24時間で作ることも可能なわけです。「工程の見直し」です。自動車メーカーだったら当たり前でしょうが、調査会社はそういう発想はなかった。

調査会社というのは、実は差別化ポイントが少ない。同じようなサンプリングをした対象に、同じ調査票を用いて調査するのであれば、同じ結果でなくてはならない。分析手法だって、どれもさして違わない。多変量解析など、データをわざわざ複雑にこねくり回して見せる(魅せる?)方法もあるけれど、元のデータが変わるわけではない。だいたい解析手法も、さほど目新しいものがあるわけでもない。

だからこそ、

「スピードこそ最高の品質」

と思っている。

当時そこに気づいている業界人は少なかった。いや、気づいていたのかもしれないけれど、「体力勝負みたいな下品なことはしない」「クオリティが落ちる」「じっくり考えることこそ重要」という考えが、まだ主流だった。

今でこそ当たり前になったマーケティング調査の短期納品は、われわれが時代を切り開いたと確信している。

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