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 ・・・ 調査票設計能力の肝

調査を担当するリサーチャーが蓄積すべき経験とは、まずは調査票のひな形をいくつ持っているかということ。おそらく、調査を100本くらい経験すれば、世の中の実査パターンがいくつかに限定されることに気づくはずです。
そしてそのパターンとは、以下の5つだと思います。

  • 製品コンセプト調査
  • 新商品市場浸透度調査
  • 製品評価調査
  • 広告効果測定調査
  • 広告評価調査

回転率の高い商売をしたいのなら、この5パターンのいずれかを実施してくれる企業に食い込まないといけません。
回転率が高いとは、すなわち売上が向上することです。つまり「質より量」です。もちろん低品質の調査をするということではなく、リサーチャーとしての満足度の質です。前に書いたハイレベルな仕事は、ハイレベルな満足感をもたらしてくれるものですが、そればっかりでは、売上が追いつきません。だから回転率も高めていかないと営業として、会社としてやっていけません。

20201.gif調査票を設計する具体的方法として、よく「ストーリーを考える」ということがあります。要は、常識的な人間の思考順序に沿って、流れを作るということ。これは当然です。いきなり結論から入る小説がないのと同様です。

巷で多く行われる実査パターンは5つと書きましたが、調査票のパターンを最も大きく捉えれば、右記の3つでしょう。調査テーマを目的変数、テーマに対する回答者の背景、個人プロフィールを説明変数ということもできます。
調査テーマについて、調査票にブレイクダウンすることは、さほど難しくはないでしょう。発注担当者の調査意図が明確であれば、それを設問に置き換えるだけです。製品関係の調査であれば、「購入意向」「購入意向理由(非意向理由)」の2つが最重要重視点です。この部分に時間をかけているようでは、設計の時間短縮は期待できません。

20202.gifリサーチャーの能力が問われるのは、テーマを挟んだ前後の部分、説明変数となる設問をどれだけ考えられるかにかかっているといっても過言ではないでしょう。この部分のアイディアをどれだけ持っていて、どれだけテンポよくアイディアを出せるかが、リサーチャーの優劣につながります。

例えば、「緑茶飲料」の新製品の調査の依頼があったとして、「日常的に引用する緑茶飲料ブランド」「好きな緑茶飲料ブランド」「緑茶飲料の飲用シーン」「日常的な緑茶の飲用頻度」「他の飲料の飲用頻度」くらいは考えついて当然。問題は、緑茶飲料には縁遠い分野と思われることに気づけるかです。
その緑茶飲料のターゲット層が、誰なのかによっても変わってきますが、例えば、「緑茶の生産地イメージ」から入って、その生産地が抱える他産品とのイメージポジションの違いに進んでいくということもあります。また、「緑茶飲料と一緒に食べるお菓子類」から、ターゲット層がどんな喫食をする人で、飲料だけでなく、食事全体の中での緑茶飲料の位置づけをみるということもできましょう。
さらに一歩進んで、緑茶飲料の止渇性に着目して、「汗を流すシーン」を設問に組み込むこともありえるでしょう。スポーツドリンクの市場を奪い取るコンセプトがあるのなら、十分に考えられます。

この能力を鍛えるには、さまざまなことに日頃から注意を払うだけでなく、「風が吹けば儲かる桶屋がいる」ことに思いを馳せなければいけません。「風」と「桶屋」の連関性が濃いであろうという仮説を立て、それを実証する。もちろん、仮説は1つではなく、複数呈示しておかないと不安です。そのための情報収集であり、仮説設定する癖をつけておくということです。

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