セブンプレミアム金の麺
40年におよぶ袋麺政権の牙城を崩したマルちゃん正麺。
そのマルちゃんが、セブンゴールドのPBを作ると聞いたのはいつだったか。
発売されましたが、なかなか見つけることができず。
ようやく手に入れたのが、これです。
ぶっちゃけ言いますと、一生懸命チルドコーナーを探しておりました。
チルド麺だろうと、勝手に勘違いしておりました。
セブンゴールドの商品って、だいたいチルドだし。
セブンとマルちゃんが仕掛けたのは乾麺の袋麺。
正麺と思い切りぶつかるポジションのPBを投入する勇気。
100円袋麺の新時代を切り開いたものだけが、許されることかもしれません。
東洋水産が正麺の大ヒットから、まだ時間がさほどたっていないのに、セブンとPBを出すということは、かなりの衝撃をもって迎えられました。
正直ありえないと思いました。
上記記事にあるように、セブンPB「金の麺」は、
『マルちゃん正麺』の実質的なセブンPB版
と書かれていたのですから。
ブランドマネジメントの観点からも、経営的な観点からも、こんなやり方は考えられない。
いったいなんのための「正麺」なのか?
ただ、東洋水産は「全く違う商品だと強調」とのニュースもあった。
いったいどういうことなのか、東洋水産に問い合わせたいくらいでした。
だからこそ、早くこれを食べたかった。
食べてみました。
マジメに味を確認する意味を込めて、正麺の時と同じく「素ラーメン」で。
いや、これ、全然「正麺」じゃないです。
麺の太さも食感も全然違う。
サッポロ一番のようなジャンキーさはない。
あれより少しお上品な、明星「中華三昧」に近いか……?
そうでなければ、日清「昔ながらのラーメン」という感じ。
妙に安心しました。
さらにこの「金の麺(醤油)」には、致命的な点がある。
それは茹で時間。
ノーマルな醤油ラーメンで「4分半~5分」は、ちょっと長い。
ちゃんぽん麺やみそラーメンならわかる。
けど、醤油で5分はない。
マルちゃん正麺は、冷し中華が最長の茹で時間で5分。
醤油・塩味は3分。
あとは、味噌4分、豚骨2分。
袋麺の調理時間は、誰がどう考えても3分間。
これが40年守られてきた基準タイム。
4分でも「結構面倒?」と思うくらいなのに、4分半から5分は
ありえないくらい、ちょーなげー!
です。
たぶん、このままでは売れない。
おそらく、茹で時間を調整してくるでしょう。
ただ、東洋水産もそこまでセブンゴールドに肩入れし、せっかくの正麺で築いた市場を自ら崩すような理由はない。
どこまで協力するのか……?
メーカーと流通の駆け引き。
トップブランドと最大手流通とのバトルは、消費者に気づかれないように、静かに進行していきます。
2015/09/21