つけ蕎麦たったん 富士そばの挑戦
当ブログは、以前は酒ブログ、今は少々上品に進化して蕎麦ブログと化しているわけです。
かねて行きたいなと思っていた、富士そばグループの新業態店「つけ蕎麦たったん」に行ってまいりました。
日経トレンディの最新号にも取り上げられておりましたし。
かつて構えていた事務所のすぐ近くの富士そば渋谷並木橋店を改装しました。
しかも、ルチン豊富で、高血圧人間であれば心が動く「韃靼そば」専用の店。
「韃靼そば」は「ダッタン(そば)」と読みますが、あえて「たったん」としたところに富士そばの可愛げが感じられます。
ちなみに、「ダッタン」はタタールという民族名からきています。
学校でマジメに世界史を勉強した方なら、「突厥」という国名を覚えていると思いますが、突厥の人々が、他の遊牧民をタタールと呼んでいたそうです。
韃靼そばは、一時期猛烈に凝っておりまして、市販品をしばしば買っては食べておりました。
黄色い蕎麦湯がまた美味しくて。
でも、いつしか店頭から消えてしまいました。
基本的に、中国雲南省など高地で収穫される蕎麦ですから、調達量に限りがあったのか。
それとも単に需要がなくなってしまったのか。
でも、高齢者を中心とした「未病」の方には、とてもいいものですから。
都内にも、たしか大井町に韃靼そばを出す店があります。
でも、一般的なお店にはほとんどない。
そういう点で、富士そばの挑戦は画期的。
立ち食いがメインの富士そばの新たなる挑戦といったところか。
つけ蕎麦 たったん - 渋谷 明治通り 並木橋交差点角。24時間営業。
公式サイトも富士そばらしくない!
インテリアが、濃い茶色をメインとして、かなりシックな印象でした。
というか、ちょっと暗すぎるくらい。
さらに、立ち食い店時代のままの広さを、レイアウトを変え、当然のように座り食いにしているため、かなり狭い。
このあたりは店舗の業態転換の限界を感じさせます。
お蕎麦は、券売機で食券を購入し、厨房に出す。
蕎麦の量は、ノーマルなもりそばで300gと450gが選べました。
ここはひとまず300gでまいりました。
席に座って待つことしばし。
麺がやや太めのため、出来上がりに時間が少しかかります。
お蕎麦は店員さんが持ってきてくれました。
「ん? 少ない?」と思いましたが、食べてみると、量はしっかりありました。
麺は蕎麦にしては、かなり太め。
蕎麦とうどんの中間くらい、稲庭うどんくらいの太さです。
天かすと生玉子は取り放題。
これは嬉しい。
おつゆがピリ辛で、味に飽きがきません。
「これなら450gでもよかったな」と少し後悔。
次回はそうします。
問題は価格。
もりそば300gで450円。
通常の富士そばは、「2枚もり」が290円だったか。
これでイヤというほど食べられます。
もちろん味はそれなりですが。
そういう客層はここには来ない。
自分が行ったのが日曜日だったためか、またすぐそばに場外馬券売り場があり、しかもG1宝塚記念の日でもあったためか、お店は客がひっきりなしに入ってきました。
それも女性が半分くらいいました。
日経トレンディの記事によると、女性客は4割だそう。
立ち食いそば店に女性が入っていくことは、もはや珍しくないけれど、それでも女性の感性からすると、できればもう少しキレイなお店で食べたいと思うはず。
そういう層に「つけ蕎麦たったん」は刺さっている。
新たな市場を切り開いたか。
蕎麦の茹で時間がかかるから、忙しいランチにライバルたちと勝負することは得策ではない。
出店場所も、駅前のようにバタバタした雰囲気のところでなく、駅から少し離れたところの家賃の安い物件にする。
うーん、富士そばの店舗開発担当者は、大いに勉強になる出店政策となりそうです。
今のところ、渋谷並木橋の1店舗のみ。
次の出店はどこか?
やはり山手線周辺か。
それとも少し郊外に向かうか。
郊外で挑戦してみて欲しいです、ぜひ!
2015/09/21