ジワジワ増殖する丼丸は自由主義のフランチャイズ
持ち帰りの海鮮丼が500円均一
少し前にお店ができていたことは気づいておりました。
持ち帰り海鮮丼の「丼丸」。上の画像の撮影日は、昨夏8月31日。一度試してみようと思いつつ、自宅と駅との動線から外れた方向であるため、ずっと放置。
そんなところについ先日ポストにチラシが入った。
それでもなかなか足が向かなかったのですが、ようやくトライしてみることに。
久しぶりに訪れたら、入っている建物の改装工事中でした。
メニューバリエーションを豊富に見せる工夫
丼丸のことを取り上げているメディアはまだほとんどない。検索しても出てくるのは、昨今活躍している「しらべぇ」が、今年の1月と2月に取り上げたくらい。
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激安海鮮丼チェーン「丼丸」東京で美味しい店舗ベスト3 – しらべぇ | 気になるアレを大調査ニュース!
税別ながら500円均一という価格設定とともに、メニュー数がとても多い。チラシにあるように77種以上あります。
ただよく見ればわかるように、これはあくまでもマグロ、イカ、イクラなどのトッピングを組み合わせているだけ。丼丸マニアと思われる方が、こんな便利なサイトを作っておられます。
自分が食べたい種類を選択していけば、メニュー名にたどり着けるもの。素晴らしい! スマホにも対応しているので店頭で調べる時に便利かも。
このサイトを見ればわかるように、トッピングはマヨネーズまで含めて43種類。もちろん相性はありますが、組み合わせ次第で、メニューはいくらでも増やせることがポイントか。牛丼チェーンでは、ここまではできない。むしろココイチに近いです。
自分が選んだのは「サーモン縁側丼」。エンガワ好きなんで。
並盛は500円ですが、シャリ大盛は600円。ネタ大盛は700円。さらにシャリもネタも大盛の特盛は800円。せっかくなので、ネタ大盛にしてみました。
大盛は本当に大盛だった
家に戻って、袋から出してビックリ。ネタが多いことが明らかにわかります。
大盛だから醤油を2つつけてくれたのでしょうか?
このエンガワのテンコ盛りはそそります。サーモンが何切れ入っているのか不安になるくらい。
醤油をかけてみる。
蓋の中央が凹んでいるため、ここにワサビを醤油で溶くことはできそう。ただかけるのが難しそうなのでやめました。
ここは改善の余地ありかも。あとワサビは粉ワサビで、全然辛くない。これは「しらべぇ」の2月の記事でも指摘されております。
いざ実食!
食べ始めて思いました。
エンガワを食べ過ぎると、脂がイヤになる
ということを。それくらい量が多い。
半分ほど食べ進んだ時点の画像ですが、エンガワが層になっていることがおわかりいただけるかと。あとサーモンはしっかり6切れくらい入っておりました。
エンガワもそうですが、サーモンがトロトロで本当に美味しかった。これはリピート必至でしょう。
管理しないフランチャイズチェーン
株式会社ササフネが運営する「丼丸」のフランチャイズとしての特徴はその自由度。
トップページにはこんなことが堂々と書かれております。
全てはオーナーの裁量で価格設定から丼の種類や味付けまで異なりますが「あそこの丼丸よりもここの丼丸の方が良いよ」「なぜ同じ丼丸なのにここは値段が違うの?」「ここのシャリの方が美味しい」「あそこは感じが悪いから」「こっちの丼丸の方がボリュームはあるね」等々と言われるお客様も多くいるのです。
※「丼丸(株式会社ササフネのサイト)」より引用
シャリやボリュームの違いに言及するならまだしも、「感じが悪いから」とまで書いてしまうとはなんとも凄い。普通なら隠したいところです。
無愛想な対応すらもオーナーに任せるという度量の大きさは、自己責任を追求した結果か。
フランチャイズ料であるのれん代は、月額固定の3万円のみ。店名は「丼丸」とさえ入っていれば、冠などをつけようが自由。取引業者も紹介されるだけでなく、自分で開拓することもOK。魚介類は地域によって特徴が異なるがゆえの配慮ということもあるでしょう。
1960年代から広まったチェーンストア理論は、画一性を売り物にしてきた。しかし、北海道から沖縄まで、すべて同じ顔をした店作りは、もはや受け入れられない。セブンイレブンでさえも、地域独自の商品の品揃えを強化している。
今後のチェーン運営は、店舗ごとの個性に合わせたものでなければならない。それは昨日のエントリーにも書いたとおり。
松屋のごろごろチキンカレーはココイチに影響を与えるか - とみざわのマーケティング入門
本部の管理をできる限り抑え、各店の自由に任せる。ただそれだと、安定した売上は期待できない。それを飲み込むことができるチェーンだけが生き残ることができるのでしょう。
丼丸は現在全国に303店舗。すでに全47都道府県に出店している。将来的には2002店舗を目指すそうですが、現実的にはまず1000店が目標か。
管理しないフランチャイズチェーンとして、どのような発展を遂げていくのか、またその過程でどのような問題が生じるのか、注目していきます。