月桂冠サムライロック
たまには日本酒だろう
ということで、酒売場をフラフラしていたら、こんなのに出食わす。
爽やかな色合いもありますが、何よりネーミングも印象的。「もしかして逆輸入?」と思ったけれど、どうやらそうではない。
昨今話題の日本酒カクテル。欧米人にも人気が広まる日本酒。でも、その足元たる日本での需要は、いまいち伸びないように思える。学生に聞いても、「やっぱ悪酔いしますもんねぇ」と。
良い酒を飲めば、悪酔いなどしないものですが、若者はそこまではしない。
その点、カクテルならハードルは下がる。しかもアルコール度数13%。これがヒト桁でしたら、トライアルはしませんでした。「だったら缶チューハイでいいだろ」と思う。でも13%なら、ギリギリ日本酒感がありそう。いったいどんな味なのでしょう?
酒ライム、サケライム……
製造元である月桂冠によると、「サムライムロック」は代表的な日本酒カクテルなのだそう。
オンザロックで清涼感を味わえる2アイテム 月桂冠「サムライロック」「氷原酒」を季節限定発売|会社情報|月桂冠 ホームページ
サムライロック|商品・CM|月桂冠 ホームページ
すみません、勉強不足で知りませんでした。
ネーミングは、「酒ライム、サケライム、サケライムロック、サムライムロック……サムライロック!」という感じで進化したのか?
アナグラムとして「ライム」が想像でき、悪くない。
では飲んでみましょう。
日本酒っぽくない
ロックでというので、その通りで飲む。というより、これ以外バリエーションはないか。
味は日本酒を全く感じませんでした。「焼酎のライム割です」と言われて出されたら、信じて飲む。そのくらい「日本酒感」はゼロ。アルコール臭もほとんどしない。だから日本酒を毛嫌いしていた方にもオススメできる。
ただ、2杯目になると、甘さがだんだんしつこく感じてきた。やはりハードドランカー向けではないでしょう。お酒をお上品に飲みたい方向けです。
カクテルの先
国内需要が頭打ちとなる一方、海外での拡販はいよいよ本格化している。かの中田英寿氏は、先日ミラノで「SAKENOMY Project」なる日本酒バーを期間限定オープンした。
日本酒の魅力をミラノから世界へ。中田英寿のプロジェクトを支えた人々。 [Number Ex] - Number Web - ナンバー
日本酒の魅力を日本で広げようにも、昨今の飲み屋は、アルコール類の選択肢が多すぎる。ビール、サワー、ハイボールにワイン。カクテルメニューがズラッと並ぶ大衆居酒屋だって、今は珍しくない。
その中で日本酒が存在感を発揮するために、カクテルは確かにありかもしれない。問題は、そこをきっかけとして、日本酒の奥深い世界に誘う切り口が何なのか。日本酒そのものの製法なのか、ツマミなのか、容器なのか。そこを見据えたマーケティング戦略が必要だと思うのであります。
2015/12/25