大井町のラーメン店 麺壱吉兆
このラーメンを見て何を思う
行列が大嫌いな自分が、少し並んでまで食べようとしたラーメン。
これが出てきた瞬間、
あっ!なるほどね!
と、すべてが氷解した気分でした。
あるテレビ番組
この店のことを知ったのは、あるテレビ番組。
特に確認もしていなかったので、こうして改めて文章化するにあたり、いろいろ調べたのですが、「食べログ」のこちらのレビューにありました。
『「行列ができない激うまラーメン」という、テレビ番組に出た!』by 増刊号 : 麺壱 吉兆[食べログ]
自分もこの番組を偶然見たのでした。同様のテレビ番組はテレ東系でやっている。テレ東だったけなぁ……。そのくらい思い出せない。
ただ、記憶に残っていたのは、このお店の場所が大井町だったから。しかも顧問税理士さんの事務所からすぐ。
税理士さんにお伺いするのにかこつけて、これまでは「肉のまえかわ」に乗り込んでおりましたが、今度はここに行かねばな。そんな不埒なことを考えておりました。
番組の内容は、なかなかの波瀾万丈でした。
上記食べログのリンクにもあるように、こちらのお店は、都内城南エリアの戸越から移転してきた。ただ、コンセプトは明確に変わっている。
心機一転
以前のお店は、「売らんがな」でやっていた。ただ忙しいだけで、全く繁盛しなかった。そんなことを店主さんは語っておられました。
そこで「これじゃいかん!」ということで、心機一転、席数わずか7席のこちらのお店をオープンした。
しかも看板にあるように、青竹平打ちをご自分でやる。
たしか今TOKIOがやっているんでしたっけ? とても体力を使う打ち方です。だから大量生産はできない。7席に絞ったのは、そういうことも理由にありましょう。
お客様を大切に
以前のお店は、「たくさんのお客様に来てもらい、たくさんのラーメンを作れば儲かる」、そう思ってやっていたとか。しかし、それでは全然ダメだった。
だからもっとお客様に真摯に向きあおうという気持ちが湧いてきた。それもあっての、わずか7席。
食べログのレポートを見ていただければわかるように、7席しかないにも関わらず、注文してから出てくるまで、割と時間がかかります。そこに不満を抱く方も多い。
たしかに、儲けを考えるのであれば、もっと効率よくしなければいけない。ただ、この店はそこは重視していない。
丁寧な仕事
で、ふたたび一番上の画像に戻ります。
皆さんは、このラーメンを見て、どう思うでしょうか。
麺が平打ちだな
スープが美味しそうだな
チャーシューはどうなのかな?
海苔?
自分が「なるほどね!」と思ったのは、
丼の向き
です。
店主である旦那さんが、粗方作ったものに、奥様がトッピングをし、カウンターに載せるという手順。
丼には、チャーシュー2枚に海苔、ネギ、ほうれん草、なると、そしてレンゲまで美しく配置されている。まるで鶴翼の陣。
そして、スープに隠れてはいるものの、店名がしっかりこちらを向いている。
美しい!
そう思いませんか?
やたらラーメンを神格化して、「ラーメン道」みたいに表現することは好みませんが、これはまさに、茶道にも通じるおもてなしの世界。
お客様と真摯に向き合う
と、テレビ番組で語っていた意味がわかりました。
真面目な製品づくりは、日本人であれば、当たり前のこととしてやることだと思いますが、そこに美意識を持ち込むことにより、品格が出てくる。
どうでもいいと思えることも、おざなりにせず、きっちりやる。その精神を具現化できれば、隠れた人気店から、本物の人気店になることができる。
たかがラーメン、されどラーメン。参考にすべきところはあります。
自分が頼んだのは「支那そば」。とっても美味しかった。次回は「中華そば」をいただきます。
2015/09/22