大衆系ラーメンの「知覚価格」400円の攻防

社長が登場する衝撃CM

友人が関わったという幸楽苑の「醤油らーめん司」のCM。

割と物静かな印象と思っていた社長がラップを刻む、衝撃動画です(笑)。

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ん? メニュー名は「醤油らーめん司」? それとも「司らーめん」?
ここでは「醤油らーめん司」で統一してまいります。

税抜290円という衝撃価格の「中華そば」をやめ、税抜520円・税込561円と一気に2倍近い印象の新メニューを投入した幸楽苑。

幸楽苑「290円ラーメン中止」でどうなった? | 外食 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

マスコミ界隈でもかなりの反響を呼んでおります。
戦略はともあれ、味はどうなのか。早速食べてまいりました。

醤油らーめん司のお味

近所のショッピングモールにあるフードコート店。平日ですが、親子連れで賑わっておりました。

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「中華そば」をやめたのなら、この看板も変えねばならない。かなりの投資が必要です。

フードコートには、リンガーハットや他のラーメン店もありましたが、幸楽苑が一番賑わっていたように見えました。

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待つこと15分ほど。ちょっと待たされ感があり。ようやく来たのがこちら。

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醤油らーめん司と半チャーハン

幸楽苑の登録商標である「半ちゃんラーメン」にいたしました。

スープはかなり濃く見えますが、魚介系で好きな味。福島県郡山市を発祥の地とする幸楽苑。喜多方ラーメンにもこんなスープの店があったような(行ったことはない)。これはなかなかいけます。

麺がもう少し太いといいかなと。これ専用に開発したそうですが、スープとのなじみが若干弱いように感じました。でも総合点では十分○です。

敵はもちろん日高屋、そして…

ちなみに、以前の「中華そば」はこんな感じでした。

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以前の幸楽苑「中華そば」(と半チャーハン)

エラく違いますな。スッキリ系からコッテリ系に変化した印象。そしてナルトってホント重要。

ライバルで現在絶好調の日高屋「中華そば」(税込390円)はこちら。

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日高屋「中華そば」

幸楽苑が、日高屋中華そばとの勝負を避けたことが、これでよくわかるかと。

喜多方ラーメン坂内も交えて

幸楽苑は、以前からあった「極旨醤油らーめん」(税抜390円、税込421円)は残している。

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幸楽苑・極旨醤油らーめんと半チャーハン

税込・税抜の違いはあれど、日高屋と似たような価格帯。これで日高屋と戦いつつ、上位価格の「醤油らーめん司」で、舌の肥えたファンを獲得する算段か。

幸楽苑と日高屋のバトルは、「大衆系ラーメンチェーン」の覇権の戦い。そのイメージに入ってくるのが「喜多方ラーメン坂内」のチェーン。

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浜松にはないので、2か月に一度くらい食べたい衝動に襲われます。スープを飲み干してはいけないという警報が脳内を駆け巡りながらも、ついついグイッと……。いかんいかん、また衝動が!

喜多方ラーメン坂内の「らーめん」は税込650円。幸楽苑の「醤油らーめん司」と89円の差。近いけれど、500円台と600円台の差はとても大きい。

知覚価格が不安定な時期

日高屋を含め、ラーメン業界はこんな価格イメージになっているかと。

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ところで今は消費税8%で、税抜なのか税込なのか、一定でないその表示に消費者は混乱している。しかもこの期に値上げしてくるチェーンもある。

そう考えれば今は、

消費者の「知覚価格」が、非常に不安定な時期

という言い方ができる(ここでいう「知覚価格」とは、知覚品質と同様、ユーザーが知覚した価格ということ)。
だから今は、製品(Product)の評価はされても、価格の評価はされていない(先送りしている)と考えてよい。

消費税10%でいくらにするか?

その一方でラーメン界の600円超の価格帯には、首都圏では例えば「横浜家系」に代表される、グルメ系ラーメンが視野に入ってくる。

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地元でイチオシの「てっぺん家」。大好き。

幸楽苑も、もちろん日高屋も、ここと勝負するつもりはないのは当然。

だからこそ、消費税が10%となった時に、税込価格をいくらにするのか。そこで勝負は決する。それぞれどのような価格設定にするのか?

幸楽苑の醤油らーめん司は、税抜520円で、消費税10%になったら税込572円。今は税込でややこしい表示にしている幸楽苑も、10%から当面上がらないとなれば、2円分の利益を削って、570円にする可能性がある。

問題は日高屋の「中華そば」。税込390円は、税抜換算すると361.1111円。仮にこの税抜価格に10%の消費税を乗せると397.222円。丸めて400円にしたいところだけど、そうすると幸楽苑の極旨らーめんが待ち構える。

幸楽苑・極旨らーめんは現在は税抜390円で、10%となると429円。現行の421円据え置きでもいいし、430円にしても、さほど違和感はない。
仮に430円とした場合、見え方はこんな風になる。

日高屋・中華そば390円←→幸楽苑・極旨らーめん430円
日高屋・中華そば400円←→幸楽苑・極旨らーめん430円

日高屋とすれば、幸楽苑と同じ土俵には乗りたくない。でもそうすると7円分の利益を削らねばならない。さて、どちらの選択肢を取るのか?

好調日高屋と挽回目論む幸楽苑

日高屋は「ちょい呑み需要」に応える戦略が当たり、幸楽苑との差を広げている。

幸楽苑と日高屋、なぜ明暗が分かれたのか | 外食 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

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しかし、ちょい呑みは吉野家やサイゼリヤどころか、通常の居酒屋チェーンも敵となる。今好調でも、いつまで続くかわからない。
その時に問われるのは、やはり「ラーメン」をはじめとした中華メニューの充実度。大衆系チェーンとしては、価格と味覚のバランスがとれているのかが鍵。

外食チェーンは、一時のデフレ戦争から、常識的な価格への揺り戻しが起きている。そのゴールは消費税10%になる時。
今のところ2017年4月と決まっておりますが、それも1年半先送りされた結果。自民党優位の情勢が続けば、大衆受けを狙い、さらなる先送りもありえないことではない。

消費税が10%で一段落する時、消費者の「知覚価格」が定まる。その時、外食チェーンの優勝劣敗も決する。それまでにどのような仕掛けをしておくか。経営者の先見力が相当に問われることになりそうです。

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      2015/09/22

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