温かい炭酸飲料 ところでなんで温かくしたんだっけ?
この冬は、「温かい炭酸」を流行らせたいようで、ニュースでも取り上げられております。
「ホット炭酸」この冬ヒットするのか? コカ・コーラやキリンが参入する理由
FNNニュース: ホット炭酸飲料が発売...
とりあえず炭酸なら、比較的飲み慣れたカナダドライを買いたかったのだけど、コンビニ数軒をハシゴしましたが、どこにもなく……。やむなく「キリンの泡芳醇アップル&ホップ」を買ってまいりました。
ホットバージョンはないようですが、冷たいバージョンのCMタレントは、あの「倍返しだ!」の堺雅人さんなんですな。今やこの方は、どのCMに出ても、「倍返し!」って言いそうに思えて、あまちゃんの能年玲奈とともに、この先の仕事選びが難しいはずです。
さて、キリンのサイトにもあるとおり、温めてあるけれど炭酸なので、開ける際に注意が必要です。
「水平に」「ゆっくり」開けないといけません。結構ドキドキします。「ぷしゃぁぁぁああああ!!!」となっては困りますし。
でもこういう時は、キャップを半回転くらいさせて、少し炭酸を抜くのがコツ。ジンジャーエールなどを開ける時にも基本です。
ジンワリと開けてみると、中からシュワシュワと炭酸が発泡しております!
当たり前だけど、なんか凄い!
色合いからして、グツグツ煮え立つ油のようにも見えます。でも、上記リンクのFNNニュースの方にありますが、
およそ3年をかけて、ホットにしても炭酸が抜けにくくなる技術を開発した
とのこと。この状態に保つことこそが、開発のキモだったのでしょう。
で、飲んでみると……
うーむ、これは…………。
ところで、なんで温かくする必要があったんだっけ?
と、根源的な質問を投げかけたくなります。
コンビニで買い、家に持ち帰ってから飲んだので、結構さめていました。でもなんかこう、温かい水滴が唇あたりにかかってくるのが、ちょっとイヤな感じ。最終的に、ほぼ完全にさましてから飲みました。
温かい炭酸飲料の開発動機は、マスコミ報道資料を読む限り、
- 1年のうちで最も炭酸飲料が売れない冬場の落ち込みを抑え、1年を通した売れ行きを均そうとしている。(奇抜な新商品、ホット炭酸は定着するか | 東洋経済オンライン )
- キリンビバレッジマーケティング本部・末吉 恵さんは「炭酸市場というのは、6年連続で伸長しているが、やはり冬場の需要が落ち込んでしまうというのが課題だった。冬には冬の温かい炭酸をということで開発に至った」と話した。(FNNニュース: ホット炭酸飲料が発売...)
となっており、市場ニーズがあったのではなく、市場を開拓できるのではと考えての投入。かなりチャレンジしています。
そもそも日本人にとって炭酸飲料は、暑い日にノドを水分で潤すだけでなく、爽やかさも与えてくれるという意味がある。寒い日には、爽やかさはいらない。カナダドライジンジャーエールの方も、おそらく同じことではないかと。体を温める効果があるジンジャーエールですが、今は「生姜関連商品」が増えました。それで十分です。
だいたい、寒い日に温かい炭酸飲料を飲みたいニーズがあるなら、とっくの昔に「ホットビール」が登場しているはず。でも、そんなのない。だいたい「ホットビール」って、アレのことも意味するし。この辺をどのようにネグって開発にとりかかったのか、ぜひ知りたいところでありますが、まあ最終的には勢いか?
チャレンジ精神はよし。ただ、このままではダメなはず。そのために必要なものは何か? 飲用シーンの提案には限界があるだろうから、なにか偶発的な事象に乗っかるとか……。かの有名な、あさま山荘事件で機動隊の方々が食する映像が流れ、それまではさほど売れていなかったのが、爆発的に売れるようになったカップヌードルのような、そんな事象に期待したいところであります。
2015/09/21