橋下発言問題 戦場における性と本能

日本維新の会橋下共同代表の発言が波紋を呼んでおります。
それも世界各国で。

慰安婦というナーバスな問題なだけに、感情的に反論する人が多く、橋下氏と議論が全く噛み合っていない。
特に、韓国の従軍慰安婦は、はたして本当に強制徴用されたのか、朝日新聞や一部の人間の捏造ではないのかという点が、徐々に問題化しつつある今、議論は多方向に拡散しているようにも見える。

橋下氏の発言のポイントは、本日ツイートした下記の文章にまとめられる。

米軍がどれだけ体面を取り繕っても、米兵が沖縄で数々の事件を起こしているのは揺るぎない事実。
米軍が風俗業を利用しないというなら、今以上の厳格なる対処をしてもらわないと納得できない。
ウヤムヤに終わらせないでいただきたいものです。

その一方、橋下氏はこんなツイートもしている。

70年前の戦争では、ストレスの溜まる兵隊のために、世界各国の軍隊で慰安所を設けていたのも事実。
この問題に、感情的に反論している方は、ここをすっ飛ばしているように見える。

では、慰安所を設けないとどうなるか。
それは、日本軍が侵攻した中国で、どのようなことをし、なぜ「戦陣訓」なるものを導入せざるをえなったかを理解すればわかる。
少し長くなるが、拙著から引用してみたい。

日本は軍国主義一色となり、健康と診断された男は皆徴兵され、戦場に向かった。そして多くの尊い命を失った。平成の世から、遠く昭和に思い馳せれば、「当時はそうだったんだろうな……」としか考えられないが、昭和の前の大正時代は、後に大正デモクラシーと呼ばれたほど自由で民主的だった。武家社会により、長く抑圧されてきた国民が、明治を経て、大正の時代になり、ようやく心を解き放ったのである。江戸期以前から続いた武士の時代は、明治維新によって終止符が打たれ、その後、薩長戦争などの内戦、日清・日露戦争があったものの、それから数十年は国民はかなり自由なムードだったようだ。
そんな自由主義に染まった国民を、再度正反対の戦争モードに転換させるには、国家による強制だけではだめだった。
日本軍が中国に侵攻しはじめた頃、戦果が思わしくないため、前線の兵隊による略奪・婦女暴行などが起きたという。ついこの間まで自由を謳歌していた若者が、突然戦地に赴いて、人を殺める。まともな人間であればあるほど、まともな精神状態でいられるはずがない。もちろん不祥事を認めるのではないが、否応なく戦場に連れてこられた血気盛んな若者の気持ちを思えば、ストレスを発散したい気持ちは理解できないこともない。
そんな兵隊を戒めるために、帝国陸軍は、「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず」で有名な「戦陣訓」を全将兵に配布したのである。
女の前で号泣する男たち-事例調査・現代日本ジェンダー考」(P154~155)

こんな例を持ち出せば、「やはり日本軍は残酷だった」と言われそうだが、悲しいことに同様のことは未だに世界中で起きている。
戦地どころか、アメリカはグアンタナモで何をしていたのか、多くの人は忘れていない。

橋下氏の発言は、そもそも過激なところがあるので、一部を切り取られ、話が拡散していくことが多い。
だが、彼の発言の真意を汲めば、論点はそこにあるのではないことはすぐわかる。
特に今は、ツイッターにより、マスコミのフィルターを介さず、発言の意図を確かめることができる。

ごく普通に生活していた人を狂気に駆り立てるのが戦争であり、狂気にならなければ生き残れないのが戦争なのである。
そういうことを真剣に議論しなければいけないのが、憲法96条改正を視野に入れた国のはず。
「慰安婦を現代に復活させようというのか!」という話に終始せず、どうか冷静に戦争というものを議論していただきたいものである。
それこそ、日本中の家庭でも。

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      2013/08/17

 - 日記