マクドナルド原田社長が今やるべきこと

13051001かつて、1人の社外取締役の就任が、これほど話題となったことがあったでしょうか?

ソニー社外取締役にマック社長の原田氏ら起用 消費・ネット重視が鮮明 :日本経済新聞

このニュースがネットに流れ始めた時、「え? えーっ!?」と二度見してしまう感じでした。
そのくらい驚いた。
だって、3年前の原田さんならまだしも、今呼ぶなんて……。

朝マックでリカルデントがもらえる | 東京マーケティングタウン(2013.3.27)

ソニーの人選はいったいどうなってしまったのか?
というより、マクドナルドの経営はどうするのか?

ソニーの人選はこの際どうでもいい。
かつて日本を代表した企業として、どこまで復活できるのか、頑張ってくださいとしか言い様がない。
そのため、アップル日本法人の元社長を呼ぶという戦略は、現時点で妥当かどうかは別として、間違っているとも言い切れない。
原田さんから徹底的にヒントを引き出すしかありません。

その一方、マクドナルド社長としての原田さんは、「一体どうしてしまったの?」という印象に陥っていることは否めない。
実は3年前、その辣腕ぶりを、こんなふうに書いております。

消えた温情 | Tokyo Marketing Town ~Diary(2010.2.10)

不採算店を、バッサリ切り捨てるその采配に戦慄を覚えました。
教え子が、大学近くのマクドナルドでバイトをしており、その内情がいろいろ伝わってきて、「さすが……」と感じ入ったもの。
ところが、例の「60秒提供」から「メニュー撤廃」と現場を混乱させる施策が続き、マクドナルドはどうもおかしくなってしまった。
とどめがリカルデント。

原田さんがソニーの社外取締役になるというニュースを知り、「やはり優秀という評価には変わりないんだ」と感じた一方、この人のことを思い出しました。

ニューコーク事件の前段: マーケティング千日回峰行之記過去分(2007.1.12)

今やマーケティングの教科書にも載っている「ニューコーク事件」。
これは、コカコーラのCEOだったロベルト・ゴイズエタが主導したプロジェクト。
端的にいえば、コカコーラ登場100周年を期して、味を変えてしまった。
ペプシの猛攻に焦り、味を変えたことが、コークマニアの猛反発にあった。
長年愛されてきたスーパーロングセラーブランドの、基幹ベネフィットをいじる難しさを伝えるためのケーススタディとして扱われています。

キューバのコカコーラ工場の科学者から、CEOにまで上り詰めたほどのゴイズエタが、(今考えれば)愚かとしか思えない判断を、なぜしたのか?
そこはあまり語られていない。
その推測を、6年前に書いたのが上の文章。

要はゴイズエタは、「ダイエットコークの成功」に酔ってしまったのではないかということ。
ダイエットコーク登場前は、コークはコークでなければならなかった。
味の改変は一切許さない不文律があった。
その禁を破って発売したダイエットコークは、1980年代最高のヒット商品と言われるほど売れた。

その勢いに乗り、コーク本体の味を変えようとなった。
そして、その重大案件が、コアユーザーにどのような影響を与えるのか見通せなかった。
ゴイズエタはすでに故人となっているため、勝手な推測をしているだけですが、あながち間違っていないと思います。

マクドナルド原田社長も、不採算店の整理は、それまでの日本企業の常識では考えられないほど大胆であり、的確だった。
彼の場合、ゴイズエタのように勢いに乗ったというより、その切れ味があまりに鮮やかすぎたために、その後チマチマした施策をしても消化不良に思えたのではないか?

だから、ユーザーにしてみれば、さほど不満を感じていない提供スピードに、わざわざ60秒という制限を課し、結果的に現場は疲弊した。
さらに、もう一段の提供スピードアップを図るために、カウンターメニューを廃止した……。
こんな策を導入したことは、すべて「不採算店整理が鮮やかすぎたこと」に起因するのではないか。

ニューコーク事件のゴイズエタは、1997年に鬼籍に入っている。
だから事件の真相は、これ以上明かされることはない。
でも、「60秒提供事件」や「メニュー撤廃事件」は、これからまだ明らかにできる。
今の原田さんは、ソニーに力を貸すより、その事件のいきさつを語った方が、日本のビジネス界の役に立つはず。
辛いことかもしれませんが、ぜひお願いしたいところです。

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