迷走していた吉野家は復活するのか

牛丼一筋の呪縛から逃れようともがいていた吉野家

昨日のプレジデントオンラインに、吉野家の苦境が取り上げられておりました。

吉野家ボロ負けを導いた"牛丼一筋"の呪縛 | プレジデントオンライン

うちの近くでリニューアルした店舗も、新たな定食メニューを導入して、改装開店当初は、かなり混乱しておりました。「アジフライ定食」なんて頼んだものだから、10分以上待たされたり。

吉野家でアジフライ定食を食べたが - とみざわの神視点マーケティング

アジフライ定食の揚げ方もひどかった。あれから少しはマシになったでしょうか。

上記プレジデントオンラインの記事は、決算数字から読み解いておりますが、実はここ数年の吉野家がいかに迷走していたかを証明する数字があります。
それは

客数×客単価

お客さんにいっぱい来て欲しければ、値下げをすればよい。牛丼各社はそれをやって疲弊しました。でもそうすると、当然のように客単価は下がる。効率が悪い。じゃあ、客単価を上げようとするために、高価格帯のメニューを導入しようとすると、価格重視のお客さんが逃げるばかりか、かの吉野家のようにオペレーションが乱れ、客足が遠のく。客数と客単価を両立するのは案外難しいのです。

すき家、松屋と比べてもひどかった吉野家の迷走ぶり

2012年1月から、先月2019年1月までの吉野家の「客数×客単価」を散布図にしたのが下記の図です。

数字はすべて「対前年比」を用いていますので、ある年のある月に、バーンと数字が上がると、それ以上のことを翌年同月にやらない限り、落ち込むことになります。ソフトバンクユーザー向けの限定キャンペーンで客数を上げてしまうと、その瞬間はよくても、翌年がツラいということです。
ただ、吉野家1社だけではわかりにくいので、すき家、松屋と比較してみましょう。

吉野家の価格戦略、メニュー戦略がいかにぶれまくっていたか一目瞭然です。

牛丼3社は、ここ数年、新メニューを投入しては、割引キャンペーンを実施するのが通例となっています。だから、散布図上のドットは、すき家、松屋にしても、結構ぶれている。

全くブレないサイゼリヤ

価格の超優等生といえるサイゼリヤの図を見ていただくと、牛丼チェーンがいかに無駄な戦いをしているかわかります。

ここ数ヶ月、既存店売上高では若干のマイナス傾向にあるサイゼリヤなのですが、このブレのなさを見る限り、単にブーム的な盛り上がりが去っただけで、むしろ安定期に入ったといえるでしょう。

今は耐える時期の吉野家

冒頭の吉野家の散布図を、年ごとに色分けしてみると、下記のようになります。

失礼ながら、2013年から2015年にかけて、いかに場当たり的なことをやってきたのか、バレバレになっています。

さてこの吉野家、この2月は数字が落ち込むことはほぼ確実。
というのも、図上で右端にポツンと離れているのが、昨年2018年2月のデータ。客数が対前年比154.0とありえない数字でした。同月の客単価は88.5ですから、値下げキャンペーンを激しくやったことが想像されます。今年は前年ほどのことはやっていないようなので、極端に下がることは間違いないでしょう。山高ければ谷深し、です。

そんな吉野家ですが、上図をもう少しじっくり見ると、そうはいっても、昨年あたりから、段々とコントロールが落ち着いてきたように見えます。セルフスタイル店を増やしている過渡期、一定のブレはやむを得ないですが、特定のユーザーに限定したキャンペーンのような無駄な戦略はやめて、落ち着いた戦いにしないと、現場が疲弊するだけ。
そして、定食メニューでは、すき家、松屋に圧倒的な周回遅れとなっているビハインド状態を回復するために、ここ1~2年は吉野家が普通の肉系定食チェーンになるにあたっての、耐える時期なのではないかと思います。

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      2019/02/23

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