断片化する社会3・仕事の断片化

アナログ時代は牧歌的

私が社会人になった頃は、パソコンが仕事に使われ始めた時期と重なります。ただパソコンそのものは、入社前の研修でプログラムを少しだけ教わった程度で、実際に活用しはじめたのは「ワープロ」でした。

キーボードに慣れるよう練習もしましたが、ブラインドタッチはできるようになっても、単に文字をデジタルに置き換えただけ。図表をどのように入れるのか、そのたびごとに苦心したものです。

それが今では、パソコンでほとんどの業務をこなすことができます。例えば、クライアントに連絡を取ることを考えてみても、アナログ時代は、電話連絡した上で直接訪問するしかなかった。重要な書類は、ファックスで送ることもできませんので、郵便で送っていました。

営業先を開拓する時のDMも、100通前後であれば封筒に宛名を手書きし、自らパンフレットを封入して、切手も自ら貼って、ポストに投函しに行っていました。もちろん効率よくやって半日仕事。分量しだいでは丸1日やりきって、達成感に満足していました。

そうした作業が、今ならメールですみます。ちょっとした書類はファイルとして添付すればよいだけ。メールの文章を考えるのに数分かかったとしても、送信ボタンを押せば終わり。アナログであれば必要な儀礼的な文言も、むしろ避けられるので、メールを読む側の時間も短くなる。相手先とアポイントの時間調整を電話でし、訪問し、打ち合わせすることを考えれば、いったいどれだけの時間短縮になっているのでしょうか。

しかも、メールの特性上、電話のように相手にその場にいてもらわないと要件が伝わらないということがない。送信してしまえば、自分の手を一旦離れます。

仕事は断片化した

アナログの時代は、今思えば本当にのんびりとしていました。昼食の休憩以外に、フロアでのんびり喫煙することもまだ常識でしたし、3時のおやつもありました。
それがパソコン、そしてインターネットが普及したことにより、仕事は断片化しました。

インターネットが普及する前後の仕事のイメージを、図にしてみました。アナログの時代は、1日に仕事をやってもせいぜい3つか4つ程度でした。これは内勤の事務のイメージで、職種によってかなり異なりますが、あの時代を過ごした方は、なんとなく実感していただけるのではないかと思います。

それが今は激しく断片化した。図には午前と午後に「休憩」を挟みましたが、実際にはこんなタイミングではないでしょう。仕事量が増えて慌ただしくなった一方で、15分、30分休むよりも、メールを送信したら数分ひと息つくといった休憩スタイルではないかと思います。

いつでもどこでも仕事が

スマートフォンは、今では誰もが肌身離さず持ち歩くことが当たり前となりました。スマホはスマホというイメージが強くなってしまいましたが、iPhoneが登場以来の宣伝文句は「持ち歩けるパソコン」でした。つまり、いつでもどこでも仕事ができる。もちろんセキュリティの問題はありますが、オフィスでパソコンの前にいなければ仕事にならないということはなくなりつつあります。

例えばお客様との商談中に、入ってきたメールをチラッと見る。

ビジネスマナーの問題はありますが、特に返信の必要がなく、内容確認だけですむのであれば、それで仕事は完結する。断片化の最たるものでしょう。

移動中にスマホを眺めるのは、ゲームアプリで遊ぶだけではなく、情報収集の意味もある。それが業務に直結する情報であれば、移動中も仕事をしていることになります。もちろん、会社からの連絡も入ってくることになりますが。

食事をしている時間に、スマホをテーブルに置いておく人は多いでしょう。1人で食べる「ぼっち飯」であっても、SNSで誰かとつながっていれば、それは決して1人ではありません。ただ、業務時間外に仕事の連絡が舞い込んでくる可能性もあるので、痛し痒しです。

スマホで普段何気なくやってしまうことの多くは、わずかな時間しかかからない。つまりスマホはあらゆることの断片化を誘発しているのです。

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