断片化する社会2・旧メディアの断片化

断片化できないテレビ

引退する安室奈美恵に、今や大御所となった桑田佳祐が参加することとなったNHKの紅白歌合戦。視聴率は、久しぶりに大台の50%を超えるのかと思いきや、40%にすら届きませんでした。

「紅白」後半視聴率 安室出演も歴代ワースト3位39・4% 前年下回り2年ぶり大台40%割れ (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

4時間30分にも渡る放映時間で、前半(第1部)35.8%(ビデオリサーチ調べ。以下同)、後半(第2部)39.4%なのだから、十分という気もしますが、1963年には81.4%という視聴率調査開始以来の史上最高を記録した経験がいまだ残るのでしょう。凋落イメージは拭えません。

本来視聴率など気にする必要がNHKは別として、広告収入が経営を左右する民放はCMなくしては考えられません。そしてCMは15秒単位で入る。最近では効果を考え、30秒バージョンが増えたように感じますが、基本は15秒単位です。

そして番組も15分単位が原則。基本は15分の掛け算が放映時間です。前の番組から、CMを挟むことなく、次の番組が始まることも、今では珍しくありませんが、それでも新聞のテレビ欄を見れば、多くの番組は60分です。

しかし、YouTubeに代表される動画発信コンテンツに、そのような制約はない。日本を代表するYouTuberであるヒカキンがアップする動画時間は、短いものでは3分台のものもある。

これで視聴回数が100万回を楽に超える。ゲーム実況の動画は30分程度になりますが、それでも1時間にまではならない。ましてや、SNSを使っている人であれば、ストーリーやGIFなどで、さらに短い動画にも慣れつつある。Yahoo!などのアプリを閲覧していると、自動で再生される料理の動画配信コンテンツの多くは1分以内です。
またYouTubeの冒頭に挟まれるCMも、最短は4秒。このわずかな時間で視聴者を惹きつけ、そのまま見続けてもらわねばならない。

今は分単位どころか、秒単位の時間感覚が基準となっています。だから60分単位のテレビは、あまりにも長時間すぎて見ていられない。

映像を受信する機械としてのテレビは、まだなくなることはないと思いますが、15分単位の発想に縛られ、放送コンテンツを断片化できないテレビ局は淘汰があってもおかしくありません。

旧メディアの広告費

災害をはじめとした緊急報道もあるため、テレビの影響力そのものは決して下がっているわけではありません。事実、テレビに投じられた広告費は、リーマンショックの時にやや落ち込んだものの、今は回復しています。
しかし新聞は、ここ9年の間に、3000億円近く広告収入を減らしている。

米トランプ大統領就任以来、フェイクニュースという言葉が一般的になりつつありますが、それ以前から新聞には偏向報道の問題がありました。もっとも、新聞というメディアは各紙の主張があるもの。ただ、その主張を押し通さんとするあまり、事実をねじ曲げるような報道が、ここのところ目立つようになってきました。

高橋純子記者の「エビデンス? ねーよそんなもん」のエビデンス – アゴラ

新聞離れが加速しているのは、そうした要因もあるでしょう。

断片化しつつある新聞というメディア

私自身は、「紙の新聞」の購読はだいぶ前にやめ、今では日経電子版のみを購読しています。パソコンでも、スマホでも、タブレットでも読むことができるのでとても便利。夜明け前、ふと目が覚めた時に、布団に入ったままで読むのが日課となっています。

下記画像は、パソコンでのビューアーをキャプチャしたものですが、紙と同じ紙面は読みません。紙面そのものは、仕事柄どんな広告が入っているのかをチェックする時にしか、目を通すことはなくなりました。

自分の日経閲読スタイルは、ここのところ変わってきました。
以前は、電子版ながら「朝刊」を読んでいました。これは言ってみれば、アナログ紙面をそのままウェブに置き換えたもの。表示順はアナログ紙面と同じです。

閲読方法としては、「電子版」で読むという方法があります。こちらは時間順に記事を並べている。朝刊・夕刊版と最も顕著な違いは「新聞休刊日」に表れます。朝刊・夕刊には、アナログ紙と同じく休刊日には配信されません。しかし、「電子版」には原則的に休刊日はない。大きなニュースがあれば、速やかに記事が載ります。

デジタルですから、自分が気になるコンテンツだけを選んで表示する「Myニュース」という閲読方法もあります。キーワードや企業名などを選んでおけば、それのみを表示してくれる。忙しい時であれば、これさえ読めばハズすことはありません。

「新聞を読む」という見栄の消滅

閲読方法をまとめると、このようになります。

閲読方法 記事の表示順
紙面ビューアー アナログ紙面と同じ。
朝刊・夕刊 アナログ紙面と同じ。休刊日あり。
電子版 時間順。休刊日にも記事あり。
Myニュース 自分で選んだコンテンツのみ表示。

最近は日経の閲読を、Myニュースですませることが多くなってきました。自分の閲読スタイルが、デジタルといいつつもアナログだった「朝刊・夕刊版」から、電子版を経て、断片化したコンテンツのみですませるように変化してきたことになります。

アナログの日経紙面は36~38ページあります。「日経くらい読んでおけ」と以前は若い社員は言われたものですが、それは、

細かい字で、結構分厚い日経を読んでこそ
社会人として一人前

というイメージがあったように思います。
ところが電子版は、電子書籍と同様、ページという概念はありません。つまり、「自分は一丁前の新聞を読んでいるんだ」という見栄も消滅したことになります。
そしてMyニュースは、あたかもiTunesで好きな楽曲1曲だけを買うように、必要な情報だけを得る。30数ページの情報すべてをチェックすることは重要かもしれませんが、今は日経以外にも情報は溢れている。東洋経済オンラインやダイヤモンド・オンラインなど無料で閲読できる情報がいくらでもあります。日経だけを、頭から尻尾まで通読している余裕があればまだよいのですが、なかなかそうもいきません。

アナログ紙すべては、情報量は多すぎて無駄が多く、個人に入り込めません。新聞が断片化することは生き残る術といえます。

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