テレビ東京「ハイパーハードボイルドグルメリポート」のリアル

twitter界隈で話題に

単に視聴率の高低だけでなく、その「質」でも話題を振りまくテレビ東京が、また凄い番組をやったという話がtwitterで話題になったのは、今月中頃のこと。

リベリア元少女兵の娼婦飯から台湾マフィアの贅沢中華まで、飯を通して壮絶な現実を突き付ける番組 #ハイパーハードボイルドグルメリポート - Togetterまとめ

10月3日と10日の2回に渡って放映された「ハイパーハードボイルドグルメリポート」という番組です。

番組公式サイトを見ていただければわかるように、通常のグルメリポート番組ではない。「ヤバい人」たちとは、

  • リベリアの元少女兵で今は娼婦
  • 台湾マフィアのボス
  • アメリカのメキシコ系ギャング
  • そのメキシコ系ギャングと抗争を続ける黒人系ギャング

ある意味では、こういう方々の食事を取材しただけの番組。たった2回きりですが、そもそも継続的にこういう方々に取材を続けられるのか疑問。だいたい命がいくつあってもたりなさそう。だからこれで終わりかもしれない。もう見ることはできないのか……と思ったら、さすがはオンデマンド時代。テレビ東京系のネット配信「ネットもテレ東」で11月30日までの限定で公開している。これは見るしかない!

いきなり登場するガイコツ

ネットもテレ東」の配信はこちらです。

テレ東ですから低予算。収録スタジオもガランとしたところに、MCをする小藪一豊さんが座る椅子があるだけ。その前に、映像を映し出す大型モニターが置いてある。これだけ。さすがですテレ東。

ネタバレをしないように……と思いつつ、番組公式サイトに書いてあることがほぼすべて。なので多少書いてもかまわないとは思いますが、そんな気持ちも消え失せるほどの圧倒的リアリティがそこにはありました。

何しろ墓地に住む元少年兵たちに取材を申し込む時に……

  1. そもそも好戦的な対応
  2. ビデオカメラを盗まれそうになる
  3. 取材ディレクターのポケットからスリを働こうとする

というところから始まる。ちなみに、スマホを通話しているところは確実に強奪されるそうな。それを売り払ってメシ代にするそうな。いやはや、これが世界。

そして墓場に当たり前のようにあるガイコツ。それをどこか誇らしげに掲げるのは、まああれとして、それを無造作に投げ捨てるのはいかがなものかと。さすがのディレクターも「あーっ!」と声を出していました。

200円稼いで150円のカレー

今は娼婦で生計を立てる元少女兵が、「仕事」で稼いだ200円ほどで、150円のカレー(みたいな料理)を食べる。日本の金銭感覚とはかなり異なるリベリア事情。

そんな彼女の夢は、「億万長者になりたい」。

その次は台湾マフィアのボス。フカヒレが丸ごと入ったスープが映される。ディレクターは、「人を殺した経験があるか?」なんて恐ろしい質問をするけれど、そんなことよりも、本当に心の底から、

食べるって何?

と考えさせられてしまい、アタマの中がグルグルしてきます。

1話分見終わって、かなりゲンナリする。MCの小籔氏もディレクターから、「もう1本ありますんで」と声がかかり、

「これの2本撮り、一番しんどい」

とこぼす始末。

とはいえ2本めのギャングの方は、やはり殺伐としているのですが、最後は割といい感じで終わることで、ようやく心のバランスを取り戻せる感じです。

食べることは生きることだが

番組公式サイトの冒頭にある言葉が、この番組のすべて。

食うことすなわち生きること。
食の現場に全てが凝縮されている。
これは、ヤバい人たちのヤバい飯を通して、
ヤバい世界のリアルを見る番組。

生きるためには、人間だろうと動物だろうと食べなければいけない。

もう何年前だか忘れましたが(たぶん20年くらい前?)、たしか日テレで「最後の食事」みたいな番組をやっていました。有名人が亡くなる前、最後に何を食べたかみたいなことを取り上げた内容でした。

その1人に、美空ひばりさんがいた。
ひばりさんは、そぼろ、錦糸卵、でんぶの三色弁当が大好きだったようで、病状が悪化してからのある日、マネージャーさんにそれを作ってもらって食べた。
それに対して、スタジオでタレントが、

これで最後かと思って食べたのでしょうか……

と涙ながらに語っていました。

もしかしたらそうだったのかもしれない。でもそうじゃないだろうと私は憤った。だから、この番組のことを今でも覚えています。

美空ひばりさんは、大好きな三色弁当を食べて、

絶対に生きる!

と思ったのだと、私は信じています。

食べることは生命維持に絶対に必要なこと。食べることにより、体温が上がり、活力が湧いてくる。ましてや大好きなメニュー。元気にならないはずはない。
美空ひばりさんは、絶対に生き続けたいという強い意欲があったからこそ、三色弁当を作ってもらい、食べた。そうではないでしょうか。

元兵士でも、マフィアのボスでも、ギャングでも、もちろん今日本で普通に暮らしているわれわれにとっても、食べることは生きること。「ハイパーハードボイルドグルメリポート」は、食育という言葉を超えた何かを感じさせる素晴らしい番組でありました。

ちなみに自分が、食べて幸せを感じるメニューの1つはこれ(↓)ですな。

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      2017/10/31

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