iPod nanoとiPod shuffleの終売は単機能時代の終焉

2つのiPodが生産中止

アップル社から突然のように発表された「iPod nano」と「iPod shuffle」の生産中止。

アップル、iPod「ナノ」「シャッフル」の販売終了  :日本経済新聞
アップルがiPod「ナノ」と「シャッフル」の生産を中止 - Bloomberg

nanoは第4世代か、第5世代。37g! shuffleは最終版。12.5g!!

ブルームバーグの記事にあるように、「nano」は2012年から、「shuffle」に至っては2010年から新デザインが発表されていなかった。だからこの日が来るのも、時間の問題だったのでしょう。

上の写真がどうみても自前のものであることからわかるように、私は両方持っております。特にnanoはかなり使いました。
浜松まで毎週通っていた頃、当時「こだま」に乗っていたので(それしかなかった)、一般のジジババ乗客が同乗していました。そうすると朝からうるさいこと……。だからイヤホンを耳に突っ込んで、音楽を聴きながらでないとやってられない。とてもありがたいiPod nanoなのでした。
特に、ワイシャツの胸ポケットに入れても、何の違和感もない軽さ、そして薄さは革命的といってもよいでしょう。それは、ジョブズのあの伝説のプレゼンに象徴されます。

ASCII.jp:【詳報】iPod nano発表会レポート──「ポケットの1000曲がすべてを変えた。さあもう一度」

持ち歩くだけでなく、イヤホンコードをFMトランスミッターとつないで、車の中でも聴くようになったことは、カーステレオも駆逐するきっかけとなりました。

iTunesによる時代の進化

初代iPodが登場する以前から、大量の音楽を持ち歩くことは始まっていました。ただそれは、自前のCDをダビングするという作業がありました。
ついうっかりソニーの規格で数百枚分のCDをダビングしてしまい、「コネクトプレーヤー」という、数あるソニー伝説の中でも金字塔といえる超最悪な音楽ソフトに翻弄されたのは忌まわしき思い出。以来、「ダビングするなら業界標準で」と心に誓い、音質が多少悪かろうが、一律MP3にしたものです。

アップルの、スティーブ・ジョブズの賢かったところは、それを今でいう「iTunes」(当時iTMS、iTunes Music Store)を起点としたこと。iPod nanoのプレゼンには、あのマドンナを駆り出して、

「できるだけ長く抵抗してきたが、自分の曲をダウンロードできないことに正直ウンザリしたの」

とコメントさせたことは、世の音楽ダウンロードの流れを加速したことは間違いないでしょう。

しかしiPhoneがすべてを変えた

自分の音楽ライブラリのすべてを持ち歩くことができる時代を作り出したiPodとiTunes。それは楽曲を古くはレコード、そしてCDというカタチあるもので手に入れるという意味でもありました。
でも今ではすべてダウンロード。「Bit Music」などという言葉も以前は聞かれましたが、今はそんなことすら言わなくなりました。「カメラ」といえば「デジカメ」であることと同じといえましょう。

ただそんな自ら切り開いた音楽の新しい時代の扉は、iPhoneによって結果的に自ら破壊したこととなった。

容量にもよるけれど、昨今のiPhoneなら、最低でも16GBあるのですから、相当な音楽マニアでなければ、十分な楽曲を入れられる。機器をいくつも持ち歩くよりも、1つに集約した方が便利。それはケータイの普及とともに、腕時計の必要性が消滅したことと同じです。

パーソナル・コントローラーとしてのスマホ

今、スマホにある機能を、ツラツラと書き出してみると……

電話、メール、ネット閲覧、写真撮影、ビデオ撮影、スケジュール、電車時刻表、地図、辞書、読書、新聞閲覧、動画視聴、音楽リスニング、計算機、スキャナー、買い物、楽器演奏、銀行取引、株式取引、家計簿、ゲーム……

SNSや、Googleスプレッドなどの業務的なものを除いても、ざっとこれだけある。もはや「Phone(電話)」ではなく、

Personal Controller

と表現した方が正しいでしょう。

単機能機器は、すべてスマホに集約される運命にあります。
iPodも、ラジオを聴くことができるようにしたり、小さな進化はあったけれど、その程度ではスマホの便利さには勝てるはずがない。iPodのバリエーションは減らされて当然だったのでしょう。

問題は、いつかまた単機能が喜ばれる時代が来るのかという点。それは多くの人がスマホを忌避することともいえる。そんな時代がはたしてやってくるのでしょうか。

現実的には、IoTによって、例えば冷蔵庫とか、掃除機のような、スマホに取り込みようがない機能が、単機能情報機器(!)として重宝されるのかもしれません。それは10年後か、100年後かはわかりませんけど。

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