なぜ視点は多い方がよいのか

仮説をきちんと構築せよというけれど

なぜ視点が大切なのか。それについて考えてみたいと思います。

拙著で、作り手と使い手の関係を示した図があります(P51参照)。実はその図には省略した部分があります。それを入れたものが下図です。

作り手の考えるマーケティング戦略(マーケティング・ミクス)に対し、使い手は自分の欲求と需要に基づいて、その製品の価値の有無を考える。つまり視点とは、両者を取り持つポイントを探ることという見方もできます。

両者を取り持つポイントが視点であるけれど、それをもう1段階、マーケティング的に考えると、「仮説」ということになります。新製品を考える時、もっと具体的には調査項目を考える時に、必ずや求められる「仮説」。「こういう製品を作れば、ユーザーにマッチするのではないか?」という仮説。これなくして、行き当たりばったりの開発をしても意味がありません。

そして、世のマーケティング本、リサーチ本には、「仮説をしっかりと構築しましょう」とは書いてあるけれど、

具体的にこうすれば
仮説はしっかりと構築できる
とは書いていない

のが実情です。
つまり、多くの方は、仮説をじっくり考えることはしていても、そのノウハウはあくまでも属人的なのではないでしょうか。
もっと具体的には、私自身調査票を設計する際やっていたことは、過去の似たような調査票から流用することに加え、それにないものは、自分のアタマの中でどんな項目がありうるか考えるだけ。それに果たして網羅性があるのか(いわゆるMECEであるのか)は、感覚的にしかとらえていませんでした。

仮説のもととなるのが視点。だからその視点をきちんと整理しておくことは、仮説構築の安定性を確実に上げることになるのです。

行動経済学は選択肢は少ないほうがよいが

行動経済学という学問分野が、一般的になりつつあります。旧来の経済学では予測しきれない事象があまりにも多すぎ、また単純な循環論にあてはまる時代でもないということなのでしょう。

以前、大和証券のテレビCMで、プリンストン大学のE・シャフィール博士が登場し、行動経済学の実例を見せたものがありました。
ある文具店で、黒い手帳を普段買う人が、たくさんの色から選ぶようにしむけられると、結局いつもの黒い手帳を買うというストーリーでした。

(参考)★ino 大和証券CM 「現状維持の法則」  黒い手帳篇 - YouTube

行動経済学の視点から考えれば、選択肢は多すぎてはいけない。これは店頭での陳列にいえること。でも、マーケティング戦略の検討においては、選択肢(=視点)が多いにこしたことはありません。

数多くの視点を持つと、かえって混乱することは考えられます。だからそれを整理しておかないといけません。拙著ではその点を重視し、視点を4つに分類しております。
実際の使用場面としては、ああでもないこうでもないと選ぶのではなく、数多の視点から、瞬時に最適解を選び出すのが理想。難しいことのように感じるかもしれませんが、それを体系的に整理し、身につけやすくしようということが目的でもあります。

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視点とネットワーク

視点を多く持つとは、具体的にどういうことなのか、図で示したいと思います。

視点はそれ単体で生きることもありますが、別の視点と関連付けることにより、さらに有効になります。視点どうしをネットワークすることが重要なのです。
視点が5個ある場合、ネットワークは理論的には最大10本あります。実際には、どうやっても関連がつけられない視点もあるはずですから、あくまでも理論値です。
ここに1つの視点が追加され、6個になると、ネットワークは15本と1.5倍になります。

計算式としては、以下のような2次曲線になります。

視点は多く持てば持つほど、その価値が増してくることがおわかりいただけるでしょう。だからこそ、特定の分野だけの知識で満足することなく、幅広い知識を得ることが必要なのです。

「学び直し」の書籍が増えている

それを端的に言い表すと、

学校の勉強をちゃんとやりましょう

ということに尽きます。
何も新たに難しい本を読めということではありません。小学校以来学んできたことを、振り返ってみるだけでもいい。それだけでも自分の視点が増えてくる(取り戻す?)ことになるのです。
最近、学校時代の学びを再学習する書籍が、書店店頭を賑わしています。例えばこんな本があります。

おそらく主要ターゲットは、時間に余裕があり、かつ記憶が怪しくなってきた高齢者層だと思いますが、ビジネスにも必ずや役に立つもの。学校時代の記憶が怪しくなる前に、一度手にとっておいても損はないでしょう。自らの視点を増やすためにも、オススメです。

 

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