PCデポよどこへ行く
どうしてこうなった
PCデポの一件は、沈静化するどころか、ますます延焼しているようで……。
どうしても必要な時にプリンタのインクを買うくらいしか使わない今の自分に、PCデポがらみで新規ネタはない。でも、元ヘビーユーザーとして何か書いておきたいと思い、単なる思い出話みたいなものですが、書き留めておこうと思います。
まず今回の騒動のポイントとして、案件そのものよりも、詳しい情報を提供しているのが、ライターによるYahoo!個人という場でという点が興味深い。
PCデポ 高額解除料問題 大炎上の経緯とその背景(ヨッピー) - 個人 - Yahoo!ニュース
新聞でも雑誌でも、ましてやテレビでもなくYahoo!個人。マスメディアのあり方が少しずつでも変わってきていることが伺えます。
とはいえ、テレビもすでに報道を始めているようで、また昨朝、日経Web版にも長めの記事が載りました。
まだまだ炎上するためのネタは投下されている状態であり、先行きは不透明なままです。
ネット草創期にありがたい店だった
自分にとってのPCデポはパソコンショップ。下記の画像の店は、かなりの大型店。今行くならここなのですが、実はこの店は移転先に作られました。
初期は、今はローソンとなっている場所でした。画像はもちろんないのですが、路面店とはいえ、コンビニに転換するくらいですから、店舗の大きさはご想像いただけるかと。
そんな狭い店に所狭しと並ぶパソコンやディスプレイ、そしてさまざまな周辺機器やケーブル類。自分にとってのPCをデポは、
PCを買うところではなく、
周辺機器を勉強する店
なのでした。
IO-DATAやBUFFALOのパンフレットを持ち帰っては、じっくり読み込んで、またお店に出向いて買う。Amazonなんて、まだ普及していない時期のことですから、とてもありがたかった。
プレミアムサービスのパンフ
かつてはありがたい店だったけれど、Amazonの安さ、便利さにはかなわない。少し前はPCデポで価格を確認して、Amazonでも確認して、早く手に入る方で買っていましたが、今はどう考えてもAmazonが早いし安い。PCデポを使うことはなくなりました。
先日久しぶりにお店に行った時、問題となっているプレミアムサービスのパンフをもらってきました。
パッと見て文字が小さいという印象を受けます。特に高齢者であれば、すべてを読もうとは思わないでしょう。
わかりにくいので、一部を拡大しますと、こんな感じになっております。
他社プロバイダや他の家電量販店と比較し、PCデポは、
初回0円
ですよと謳うサービスがやたらと多い。そしてこのパンフに「2回目以降は××円です」という表示はない。別のどこかに書いてあるのでしょうが、このあたりは不親切。
サービスそのものよりも内部統制はどうなる
需要が頭打ちとなり、またAmazonの猛攻もあるため、PCや周辺機器は店頭では売れない。だからさまざまなサービスで稼ぐことは間違っていない。事実、日経記事にあるように、PCデポは好調だった。
騒動が明るみに出るまで、同社は快進撃を続けていた。IT(情報技術)機器の使い方の説明から故障の対処まで、月額会員になれば他社で購入した製品であっても引き受ける独自のサービスが軌道に乗り、2016年3月期の連結純利益は3期連続で過去最高を更新。17年3月期も増収増益を見込んでいた。
(PCデポ、顧客の声に透ける過ちと期待:日本経済新聞)
しかしそれは、ネットなどに詳しくない人を主顧客としたものだけに、極めて危ういバランスの上に成り立っていた。
この点は、すでに社長直轄で新体制を作り上げたようですから、早晩修正されるでしょう。
これより気になるのは、内部統制の問題。従業員はかなりの一方的なノルマを背負わされていたことが、チラホラと出てきています。ネットだけの情報なので、すべて信用することはできませんが、すべて嘘とも言い切れません。
構図としては、かつての「すき家」に似ているなと感じました。深夜の無理なワンオペを強いられたアルバイトたちが一斉に離反したことは、記憶に新しい。
その後のゼンショーは、第三者委員会による報告を受け、かなり改善しているように見えます。
「すき家」は復活前に、深夜営業中止など相当な痛みを負いました。求人もかなり厳しかったと聞きます。ただ「すき家」は全国に1500店舗をかまえ、しかも人間が1日3食の生活を続ける以上は、需要はゼロとはなりにくい業態です。
さほど不要不急の商品ではない、ましてやライバルが非常に強力なPCデポが、「すき家」と同じように復活することは可能なのでしょうか。
かつてお世話になったPCデポ。どのような復活を遂げるのか、見守っていきたいと思います。