ダイエー碑文谷店とダイシン百貨店の閉店

小売史上に残る店舗

ダイエー碑文谷店の閉店は少し前からニュースとなっておりましたが、東京・大森のダイシン百貨店まで閉店と聞いてビックリ。

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東京新聞:「買い物弱者」を支え半世紀 大森・ダイシン百貨店が8日閉店:社会(TOKYO Web)

どちらも小売業の歴史に残る店舗。そしてかつて取材に行った店舗。閉店直後ではありますが、行ってまいりました。

まずはダイエー碑文谷店から。

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東急東横線・学芸大学駅から歩いて行きました。高級住宅街の先にある碑文谷店。

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どんよりした雲が侘びしさを募らせます。

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主要幹線道路沿いにありながら、満足な駐車場などあるはずもなく、近隣のコインパーキングと提携したいたようです。

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ダイエーそのものは、すでにイオングループの傘下にある。しかしなぜこれほど話題となるのか。若い方は理解できないかもしれません。また、そこそこの年齢の方も、

満州残留孤児の買い物先

くらいのイメージしかないかもしれません。
この機会に記録しておきたいと思います。

日本初のフロア別売場構成店舗だった碑文谷店

以前いただいたダイエーの35年史をひもといてみると、碑文谷店の開業のことが取り上げられております。

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そして碑文谷店は、当時日本企業に営業をかけていたコンサルティング会社の勧告に基づいて作られた。コンサルティング会社の営業に応じたのは、当時売上高日本一のダイエーだけだったようです。

それ以前の売場は、「電気機器、家具、日用雑貨、衣料品といった分類」で考えられてきた。それを、「アパレル&パーソナルケア」「ホームレジャー&ホビーといったように、使う側に立ったコンセプトによって商品部類」した(カギ括弧内「ダイエーグループ35年の記録、193~194頁より引用)。

当時のフロア構成が残っております。

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今見れば当たり前としか思えない売場構成は、この碑文谷店から始まったのであります。

碑文谷店の開店は1975年4月。今から41年前。今でこそ高級住宅街ですが、当時は郊外といってよい地域。今なら、地方にイオンやららぽーとができる感覚が近いかも。
そんな店舗がいよいよ役割を終え、新しく生まれ変わる。だからニュースとなるのです。

ダイシン百貨店の閉店作業

続いて、大森のダイシン百貨店。

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テレビ東京・カンブリア宮殿で取り上げられた際、社長は「電気・水道・ガス・ダイシン」と社長がおっしゃっていました。それだけ地域密着したお店だった。ニュースでも、利用者が口々に「残念」という言葉を残していたのが印象的でした。

そんな閉店翌日。ダイシン百貨店店頭はおおにぎわいでした。

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会員カードなどの移行作業を6月くらいまで行っているようです。隣の新館は、すでに工事業者が入っておりました。

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ダイシンはミニ百貨店に負けた?

なんでも揃うことが自慢だったダイシン百貨店。6年前に見に来た時、こんなものを買っておりました。

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「こんな品揃えで採算が合うのか」という疑問は当然ありました。これに加え、話題になった頃に建設した新館の投資が、結局回収できなかったのかもしれません。

回収できなかった理由は、つまるところセブンイレブンかなと思いました。
ダイシン百貨店の目の前に、セブンイレブンはあります。

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セブンイレブンの日販は、全国平均で63万円ほど。このエリアなら70万円は堅い。月額になおせば少なく見積もっても2000万円。つまり、年間2億5000万円から、ひょっとすれば3億円の売上はある。
電池や電球は当然として、スマホのケーブルも揃うコンビニは、今や「ミニ百貨店」という見方もできます。そんなセブンに売上を食われなければ、ダイシン百貨店は、もう少し生き永らえることができたのではないでしょうか。

時代とともに変化できるのか

ともに1つの時代を築いた都市型小売店舗。そんな店舗が役目を終えるのは、厳しい言い方をすれば、時代の荒波に飲み込まれたから。
生き残るためには、日々変化をし続けなければならない。それが今できているのはセブンイレブン。

ただ、そのセブンも、身内のヨーカドーは依然厳しい状況にある。イトーヨーカドー創業の地である北千住店は、先月閉店しました。

イトーヨーカドー「創業の地」である北千住の店舗が閉店 - ライブドアニュース

現代の小売業は、イオンに代表される郊外の巨艦店と、小回りの利くコンビニ、さらにAmazon・楽天をはじめとしたネット通販に大きく分けられる。その隙間を埋めるように数多の業態がひしめき合う。
今日の勝者は、必ずしも明日の勝者とはならない。イオンはともかく、Amazonだってどうなるかわからない。だからプライム会員に向け、絶えず新たなサービスを投入する。
Amazonや楽天のドローン配送を「ありえない」と考えている人は、少なくとも小売業の経営者には向かないといってよいでしょう。

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ダイエー碑文谷店とダイシン百貨店の閉店。ともに次が決まっていることも大きなポイントつまり街が死んだわけではない。碑文谷店の後を受け継ぐイオンはどんな店構えにするのか。そして高齢者にファンの多かったダイシン百貨店の跡地で、メガドンキはどんな戦略に打って出るのか。

この春は、小売業にとって大きな転換点なのかもしれません。

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