オリジナリティ
KALDIのカフェ
新橋の地下街の、大昔には喫茶みたいなのがあったところに、KALDIができていたことにびっくりしたのだけど、それ以上に、カフェが併設されていたことに驚きました。
新橋店併設・テイクアウトコーヒースタンド 新着情報 | カフェ&レストラン | カルディコーヒーファーム
まあ、店舗でタダのコーヒーを配っているのだから、それをスタンドにしようというのは、当然の流れか。もうちょっと本格的にやっているところもあるようで、スタンド併設は、むしろ遅きに失した感があるくらいかも。
いずれにせよ、街は歩かなければいけないな。そう思いました。
ビジネスと芸術
KALDIのコーヒースタンドは、もちろんセブンカフェに刺激を受けたものでしょう。他のコンビニもやっていることだし、以前取り上げたように、浜松駅コンコースの売店では、ジョージアの力を借りてまで、コーヒーを売ろうとしている。
ビジネスでは、他社がやっていることをマネたとしても、法令に違反していないのであれば問題ない。ただ過去には、ビール業界では「ドライ戦争」や「吟吟戦争」があった。自動車では、自分が乗っていたホンダ・ストリームに、その後発売したトヨタ・ウィッシュは何から何まで同じに見えた。露骨なマネは裁判沙汰にもなる。
だから、似ているけれど、確かに似ていないと思わせるところが、デザイナーの腕の見せどころなのだろうと思っていた。
でも、昨今ネットで語られるデザイン業界人と思われる方のコメントは、そうではないように読み取れる。デザインというものが、なんだかわからなくなってきました。
岡本太郎「明日の神話」
渋谷駅、京王線駅に向かうコンコースにある岡本太郎の「明日の神話」。
色合いの大胆さ、強調された「目」。岡本太郎がどんな作風であるのか知っている人間であれば、誰でもわかる。
デザインというものが、今ほど存在価値を問われる時はない。芸術とグラフィックデザインは、厳密には異なるのだろうけれど、素人からすれば、何らかの図をグラフィカルに仕立て上げ、お金をもらうのだから同じ土俵にのぼる人たち。
らしさ
結局のところ、自分の作品を
らしさ
として、世に認められた者が超一流なのでしょう。
絵画の世界では、岡本太郎やピカソがその代表例だろうけど、ここでは音楽から、ポール・マッカートニーをあげたい。
ポールは、世の中が「サタデー・ナイト・フィーバー」以来のディスコブームとなった時には、「Good Night, Tonight」という曲をヒットさせた。
一転して、YMOもその発端の一部とされる「テクノ」が流行ったら、今度は「Coming Up」をヒットさせる。
それよりもっと前のビートルズ時代には、ツェッペリンやパープルに対抗するかのように、「Helter Slelter」を世に出した。
殺人事件の引き金にもなってしまった問題の曲。でもやはりポール・マッカートニーらしさは感じる。どれだけシャウトしても、やはりメロディアス。
われわれはアーティストと、アート・ディレクターやらを混同してはいけないと理解しました。アート・ディレクターはグラフィカルな作品をディレクションができる人。アーティストではない。「自分らしさにあふれた作品」を世に出すことが仕事ではない。そういうことなのでしょう。
いろいろ勉強になったデザイン騒動なのでありました。
2015/12/25