銀座伊東屋は文房具業界の未来を担えるか

雨の銀座

なでしこジャパンの準優勝を見届け、銀座に繰り出したわけですが、雨にもかかわらず、人出の多いこと。

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その中心は外国人観光客。観光で来ているのであれば、天候は関係ありません。

そんな彼らは、リニューアルオープンしたばかりのここにも多数詰めかけておりました。

111年目の大改装

かつてたびたび利用した銀座伊東屋。デスクの引き出しには、常にメルシーカードが入っておりました。そんな伊東屋が、2年に及ぶ大改装を経て、先月オープン。もちろん、今回の銀座マーケティングツアーの目玉。

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というのも、昨日取り上げた「牛たん ねぎし」に続き、つい先日のカンブリア宮殿に社長が登場していたから。

2015年7月2日放送 伊東屋社長 伊藤 明(いとう あきら) 氏|カンブリア宮殿:テレビ東京

伊東屋の店員さんは、誠実ながらも、どこかおっとりした印象を持っておりましたが、5代目社長は「やり手」という言葉がしっくり来る方。しかも、アメリカのデザインスクールでも学んだ経歴もあるので、情緒的なセンスもある。
事実、「メーカーの製品でデザインが気に入らないと伊東屋オリジナルでさらに使いやすさとシンプルなデザインでつくりなおしてしまう」とのこと。納入業者はやりにくいかもしれません。

フロアは想像のとおり

店内で、唯一撮った写真はこれ。

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11階にある「農場」。ここで収穫した野菜を、12階にあるカフェレストランで提供するようです。ちなみにカフェレストランは、満席で入れず……。

他のフロアの説明は、こちらでご確認ください。

銀座の老舗文具店が魅せた「111年目」の革新 | ウリバの見方 実録!売り場見学ガイド | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

カラフルな文房具が整然と、かつ美しく並べられている。最もインパクトがあったのは、7階の「FINE PAPER」。紙質と色見本を同時に把握することができます。

ショーウィンドウとしての機能だけでなく、実際に試用することもできる体感型店舗。カンブリア宮殿のタイトルは「進化を続ける文房具のテーマパーク」でしたが、そのとおりの店頭イメージでした。

レンタブル比は低下した

東洋経済の「ウリバの見方」に書かれていないことで、気になった点は、

以前に比べ売場面積をかなり狭くした

こと。

以前は、狭いフロアに詰め込めるだけ詰め込みましたという感じ。でも改装後は、売場はすべて中央通り側に寄せてスッキリした。反対側は、レジや倉庫(?)やトイレなどが配置されている。
いわゆる「レンタブル比」は、相当下がったはず。それは収益性を悪化させることを意味する。

番組でも取り上げていましたが、今さら品数ではネット通販には勝てない。だから店頭に並べる商品は絞った。その想定顧客は社長自身。つまり「文房具のプロ」。現実的には、セミプロ(≒マニア層)までをターゲットとしているでしょう。

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プロは安物は使わない。だから、来店客数は以前より落ちても、売上は横ばい、そして利益率は上がるということを想定しているのでしょう。

そして何より、プロ中のプロである従業員に、「わかってくれるお客様」を相手にできる喜びが生まれる。こういった絵図を描いていると思います。

どうするハンズ

こうなると気になるのは、東急ハンズやロフトといった勢力。
伊東屋までいちいち行くことはできない、でもネット通販では物足りない、百均で買うなどもってのほか、という文房具のプロたちは、この2店舗に向かっていたはず。

そして、文具のプロであれば、伊東屋の改装オープンを知らないはずがない。一時的かもしれませんが、少なからず影響を受けているでしょう。

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銀座伊東屋と、ハンズ、ロフトの文房具売場は併存するのかどうか。特に「目利き」としての価値が高い東急ハンズの動きは、気になるところです。

最寄りの文房具店がない人は、コンビニか百均で買うのが現状。利便性という点では、銀座伊東屋のリニューアル店舗は、それと対極に位置する。また、品揃えでは、Amazonを中心としたネット通販に勝てないのがわかりきっているからこそ、伊東屋とハンズは共闘するという選択肢もあるはず。

両者は文房具業界の旗頭として、街の文房具店を活性化する役割も担わなくてはならない。ネットでは実感できないアナログ販売のよさを、どのように伝えていくのか。デジタル一辺倒の社会に、文房具はどのような存在感を示すことが可能なのか。中小の文房具店がやるには限界がある。でも、マスコミに近い両者なら、決して不可能なことではない。

折しもAmazonが、積水ハウスと大和ハウスという鎬を削り合うライバル2社と提携を発表したばかり。

アマゾンが住宅リフォームで狙う2つの革命 | インターネット | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

また、楽天はヤマト運輸と提携し、利便性をさらに高めようとしている。

楽天社長「利便性高めネット通販市場拡大」 ヤマトと提携発表  :日本経済新聞

文房具業界も、今こそ団結すべき時。銀座伊東屋、そして東急ハンズのリーダーシップに期待です。

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