一人勝ちで市場が縮小した烏龍茶

半減した烏龍茶市場

最新のニュースを追うのもいいけれど、ネットは時折、古いニュースが、さも最新ニュースのように流れることもある。それに釣られて反応する輩もいて、妙な炎上騒動になったりもします。

厄介なこともある古いニュースですが、このニュースが流れてきたのは自分にとってありがたかった。

15年で市場半減のウーロン茶離れ 国産登場で歯止めかかるか│NEWSポストセブン(2015/2/7)

今年2月の情報です。
月刊飲料ビジネス」を刊行している飲料総研によると、日本の烏龍茶市場は15年間で半減したという。
むべなるかなです。

独占の弊害

戦略だの、ロジスティクスだのという軍事用語が飛び交うマーケティングは、企業間の擬似戦争であるけれど、決して戦争ではない。あくまでも「戦争ごっこ」にすぎない。

だから、勝ちすぎてはいけない。相手を完膚なきまでに叩きのめすことは、その場での溜飲を下げることにつながるかもしれないけれど、長期的にはむしろマイナスに作用する。

勝ちすぎてはいけない

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下部の妙な空きスペースはナイショです

マーケティングの授業で、最初の回に必ず説明することの1つです。例に出すのは、かつての読売球団、そしてレアル・マドリード。どちらも最初は華々しかったけれど沈没しました。

すべてサントリー製の烏龍茶

前記記事にあるように、日本の烏龍茶市場におけるNB品は、サントリーが56%のシェアを握っている。2位がコカ・コーラ(13%)で、日本に烏龍茶を広めた伊藤園はわずか9%にとどまっている。

今コンビニ店頭で、サントリー以外の烏龍茶を見ることはない。それどころか、PB品もすべてサントリー製。セブンプレミアムの烏龍茶ももちろん、ローソンセレクトもサントリー。

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小売大手がトップメーカーとしか取引してくれないのであれば、2位以下のメーカーは打つ手がない。そこには撤退という選択しかない。

各社にもプライドはあるので、即撤退までいかずとも、投資金額は自ずと小さくなる。ユニークな製品改良、人の目を引くプロモーションなどできるはずもない。

その一方、皆さんは「サントリー烏龍茶のCM」を、最近見ていないことに気づいているだろうか。

かつて、中国の著名女優である范冰冰さんなどを起用したCMは、今は流れていない。

下記がサントリー烏龍茶の公式サイトであるが、サイト上部のナビにある「CM紹介」をクリックしてみて欲しい。

肉!ときたら、サントリーウーロン茶 サントリー

リンクがない。つまりCMはやっていない。

トップブランド担当者は実は虚しい

タレントを起用し、ギャラを支払うなど、多額のコストがかかるCMなど作らずとも、NBとしてのサントリー烏龍茶も、PBとしてのサントリー烏龍茶も一定数は売れる。

「プレモル」や「伊右衛門」よりも、ジャンルにおいて圧倒的なトップブランドなのに、そのマーケティング戦略は縮小均衡したものになっている。担当者としては、忸怩たる思いがあるかもしれないが、これこそまさにプロダクトライフサイクルでいうところの「成熟期→衰退期」なのだろう。

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トップブランドとは、必ずしも華々しいものではない。華々しいのは、むしろ敵とチャンチャンバラバラやり、勝者が見えない成長期である。

日本の烏龍茶市場はどこまで縮むのか。その匙加減はすべてサントリーの手に委ねられているといっても過言ではないのである。

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      2015/06/27

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