香味ペーストにかき回された味覇
創味シャンタンDX
中華の万能調味料といえる「味覇」にチューブタイプがいよいよ発売され、嬉々として書いたこの文章。
チューブ味覇でチャーハン | とみざわのマーケティング研究室(2014/10/13)
しかし、今その味が維持できるのか問題となっております。
中華調味料「味覇」、「プロの味」は守れるのか 3月末で製造委託メーカーと契約解消、新出発 : J-CASTニュース
恥ずかしながら、「味覇」の中身が、業務用の「創味シャンタンDX」という名の調味料が元となっているとは知りませんでした。
創味シャンタンDX:製品情報|創味食品
味覇(ウェイパァー)公式サイト 株式会社廣記商行の運営する、【味覇】の公式サイトです
1961年に発売した「創味シャンタンDX」。
それを元として、廣記商行が「味覇」を発売したのが1981年。厳密には違うもののようですが、シロウトにはどちらも美味しく感じるはず(だからこんなにロングセラーとなっている)。
最大手参入という波乱要因
しかし、味の素が2012年から、チューブタイプ中華調味料「香味ペースト」を発売してから雲行きが変わった。
調味料最大手の参入に、先に腰を上げたのはどうやら創味食品の方。2013年7月に廣記商行側に提案したようですが、話は物別れに。
そしてレシピ公開を迫る廣記商行でしたが、事態はこじれ、結局長年の提携が解消することに。
味の素という巨大メーカーと戦うのなら、一致団結せねばならないはずですが、それがうまくいかなかった。ちょっと悲しい……。
味の素は漁夫の利を得るのか
美味しいものは食べたいけれど、基本的に味に鈍感な自分は、味覇も香味ペーストもどちらも美味しい。
缶の味覇は、冷蔵庫に入らないし、なかなか使い切れないしで、実際にはほとんど使ったことはない。だから、チューブ味覇の味しかわからない。
自分の好みとしては、「チューブ味覇>香味ペースト」という評価ですが、その差はごくわずか。おそらくマスキングして調査されたらわからない人の方が多いのでは。
だから味覚評価は、味の素製品に対するイメージ、つまり化学調味料に対する評価が影響しそう。
そうなると、味の素がこの混乱を機に、どのような攻勢をかけてくるのかどうか。クックドゥとしては、話題のCMを流している。
味覇も創味シャンタンDXも、CM投入は容易ではない。でも味の素なら余裕で可能。「香味ペースト」のCMをやるなら今でしょう。
味の素のチューブタイプ中華調味料発売に端を発する、廣記商行と創味食品の離別。まさかこんな波乱が起きるとは思いもよらず。経営は、そしてマーケティングは難しいものです。