依頼の引き受け方であなたの評価は決まる
あなたへの依頼
なんか怪しげなハウツー本みたいなタイトルですが、実際そういう内容です。怪しくはありません。私の経験から書くだけです。
大学教員なんてやっていると、サイトを見ていただいたのか、ある日突然講演の依頼が来たりする。
最近なぜか長野県からの依頼が立て続けにきており、今年は何度か行くことになりそう。どうせなら金沢まで行きたいんですけどね、北陸新幹線で。お仕事お待ちしております。
そんな依頼にどう答えるか。「応える」という漢字の方が正しいかもしれない。
私は、全く見知らぬ方からの依頼の場合、スケジュール的に問題がないのであれば、
ぜひやらせてください。よろしくお願いします。
と言います。いや、実際にはメールでの依頼が昨今は多いので、そう返信するのですが。
謙虚さの履き違え
会社みたいな組織だと、新たな仕事が降ってくるのを強烈に嫌がる人がいる。
いやいやいやいやいや……
とか反応したり。鬱陶しい。
また、そういう時に妙な謙虚さを発揮する人がいる。
私になんて滅相もない。力不足ですし、だいたい他にもっと優秀な方がいらっしゃいますし……
などと滔々と語る。ホント鬱陶しい。
一旦お断りするのが日本人ならではの謙虚さみたいに考えているのでしょうか。理解できないこともないけれど、そういう人は「時間泥棒」なのであります。
あなたは時間泥棒か
講演みたいなものは当然として、社内での仕事も多くの場合は、
誰に依頼するか、発注者側で相当な時間すでに検討されている
ということを忘れてはいけない。
適当にページをめくって、偶然当たったアナタに依頼しているのではない。この人ではちょっと足りない。この人だとお金がかかりすぎる。そういう検討を経たうえで、アナタのところに話がやってくる。見知らぬ方からの突然の依頼というのは、そういうものです。
じゃあ、本当はヒマなのに、「いやいやいやいやいや……」と言ったら、相手はどうするか。
いちおうは説得しようとしてくれるでしょう。「センセーお願いしますよ~」みたいなゴマをすったりして。電話だったら数分余計にかかる。メールだったら、1、2回の往復があるかもしれない。全くの時間の無駄。
だから、スケジュールに無理のない依頼であるなら、即答するようにしています。
ぜひやらせてください。よろしくお願いします。
と。
実はポジショニングを把握する能力
サラリーマンは、やってもやらなくても給料が変わらないことの方が多い。だから、なるべくラクな方がいいという思考がはびこる。それもわからないでもない。でも、悪しき思考は、若いうちに打破しないと。ラクを選んでばかりいると、30歳すぎに効いてきます。
先日報告会をやった商工会さんとのプロジェクトには、「やろうぜ!」という募集に乗った学生もいた。彼らは優秀でした。
私が、「××を◯◯にやってもらうから」という役割分担をする。その時嫌がる顔は見せませんでした。「いいですよ」と。本当にありがたかった。
他者からの依頼を即答(即応)できる人は、自分のポジショニングを把握する能力に長けている人。「今自分が何を期待されているのか」「何をすればいいのか」、それが瞬時に判断できる人。
いちいち断る人は、他者との位置関係が全く見えていない人。だから独善的に判断を下す。自分は必死に答えたつもりでも、周囲からはトンチンカンな回答に見える。
「講演の講師」も、実は役割分担の1つにすぎない。大勢の前で話をするという役割。なんとなくエラそうに思えるし、実際準備にたいそうな時間もかかるけれど、1つの講演会を成功するためには、ディレクター的に動く人がいないと成り立たない。お客さんを呼びこむ人がいないと、会場がスカスカで恥ずかしい。もちろん裏方で音響やらを準備をする人だって必要。そういう役割がすべて無事に整って、講演会は成功する。
自分に依頼された役割の、向こう側に見えるイベントの全体像を、瞬時に見通す能力
があるかどうか。「この人はどうして突然自分に仕事を依頼してきたのか」「なんのためになるのか」。そういうことスッとわかるようになると、あなたの評価は確実に高まる。
今からぜひ試してみてください。