リクルート上場とダイエー消滅
リクルートの上場
NHKのニュースでリクルートが取り上げられるなんて、リクルート事件以来では?
というより、こんな前向きなことで取り上げられたのは、いつ以来?
江副さんの懐かしい映像まで引っ張り出してきたりして、晴れがましいですな。
中内功への御恩
facebookにも書いたように、今の自分は、リクルート社と接点はない。だから、なんか遠いどこかの会社のことのよう。
そんな自分が現役の方々に、どうのこうの言っても始まりませんが、唯一OBとして伝えておきたいのは、
中内功という方への御恩を
決して忘れるな代表者に0001なんてメアドを付与することにも
ダイエーの体質がうかがわれる。
ということです。
リクルート事件後の、バブル崩壊からの苦難の日々を乗り越えられたのは、「最後の旦那衆」ともいえる中内功氏が、ほぼ無条件で数百億円を供出してくれたから。
これがなかったとしても、潰れなかったかもしれないけれど、銀行の管理下に入り、解体されていた可能性はあった。
その辺のいきさつは「かもめが翔んだ日」に詳しい。読んでいて、苦々しかった記憶があります。
そして、今ダイエーは消えていこうとしている。
これ以上の皮肉があるでしょうか?
救われた会社がさらなる発展への舵を大きく切ったその時、救った会社の名が消えようとしている。世の無常を嘆くほかありません。
ちなみに、ソニーの傘下に入るという選択肢も模索していたのだとか。当時のリクルートがいかに微妙な岐路に立っていたか。今だからこそわかることです。
芝信用金庫
リクルート出身の古い方なら誰もが知っていることですが、かつてリクルートの取引先金融機関の筆頭は、芝信用金庫だった。
名だたる都銀を差し置いて、信金をトップに据えた理由も、「かもめが翔んだ日」に詳しい。要は、無名の若造たちが経営する会社を信用して、お金を貸してくれたから。その御恩に報いるために、長い間筆頭に置いていた。
今はどうだかわかりません。事業概要をみても、ごく普通の大企業のようになっている。今さら取引金融機関を列挙せずとも、社会の信用は得られているのですから、当然といえば当然か。
人ありて縁ありてのリクルート
時価総額1兆円を超え、立派な企業になったリクルート。現役社員の方々が、どんな気持ちで働いているのか、もうわからない。
でも、芝信金さんや中内さんのような方々がいたからこそ、現在の栄華があることだけは忘れないでいただきたい。
ベテランたちの仕事は、マネジメントだけではない。こういった会社の裏面史を伝えるのもその役目の1つ。
どれだけの「中高年社員」が残っているのかもわからないですが、そんな役目をぜひ果たしていただきたいものです。
少し前だったら、「売却益でダイエーでなんか買ったれ!」と言いたいところですが、もはやその買い場もなかなかなし。イオンで買い物してもねぇ……。
現役のリクルート社員の方々は、あと少し残されたダイエーマークを、もし街で見かけたなら、そんな過去があったことを思い出し、そして自分より若い社員に伝えていただきたいものです。
人がいて、縁があるからこそのリクルートなのですから。