ダイエー消滅にあたって
消えるダイエー
ダイエーという店名がついに消える。
授業で、流通・小売業のことを話す時、こんなグラフを使っています。
日経の記事にもあるように、1972年三越から売上日本一の座を奪ったのはダイエーだし、小売業として初の1兆円突破をしたのもダイエーだった。
その名前が消える。
図に示すように、その後セブンに追い落とされ、表示はしておりませんが、イオンの軍門にも下った。悲しい。
8年前、そのダイエーの「解体」が始まった頃の日経ビジネスの記事を受け、書いた文章を再掲します。昨日アップしたものより、こちらの方がダイエーのその後を表している。歴史的な名前が消えるのも、当然の帰結だったといえます。
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ダイエー(2006.08.29)
今週の日経ビジネスに、ダイエーの樋口社長が退任するとの記事が、事細かに書かれておりました。先週の記事を受けてではありますが、読んでいて、情けなくなりました。
林さんと樋口さんのコンビで立て直せなければ、あと他にいるのでしょうか?
記事にもあったように、林さんが従業員の精神面、樋口さんが経営面というコンビでOKだったのに、どうやら樋口さんは、責任ばかり負わされて、権限はやたら狭かったようす。現場を守ってくれた樋口さんに対する従業員の信頼は厚かったようですが、それも水泡に帰したのか。
でもまあ、これはよくあることでしょうけど、最も情けなくなるのは、丸紅主導に移るまで、現場から、こんな声が上がっていること。
今頑張っても、評価の対象にならない。今は営業成績を落としておき、丸紅の新体制になってから頑張る姿をアピールした方がいい。
(日経ビジネス06/8/28号 P7)
腐った組織というのは、とことん腐るものですな。
そして、救済するはずの丸紅首脳のコメントが、また情けない。
今思えば樋口君をCEOにして権限を集中させる選択肢はあったかもしれない。同じことを林さんでやるかって? それはないね。
(同)
ここまで崩壊したダイエーという企業に、あと何が残っているのかわかりませんけど、どうやら丸紅は、ゼロからスタートするみたいですね。
今まで、「意地でも辞めない」と頑張ってきただろうダイエー従業員のことは、何にも考えていないみたいです。
身近にダイエーの店舗がないため、お店の空気はわかりませんけど、これで元気を出せというのは、酷すぎます。
まだまだ迷走を続けるダイエー。中内功が冥土に旅立ってもなお、ぐだぐだくだらないことで揉めている。
自分が少しでも関わった企業、ましてやリクルートを救ってくれた企業が、こんな末路を迎えるなんて、あまりにも寂しすぎます。
何とかならんのでしょうか?
2016/07/18