激しさ増す業務用ビールの戦い
昨晩は久しぶりに近所の鉄板居酒屋に。歓迎会のシーズンということもあり、店内ほぼ満席。ガヤガヤとかなり賑わっておりました。
そんな店の片隅に、こんな看板を発見。
iPhoneのズームはこれが限界。カミさんに撮影してもらえばよかった……。
見ての通り、
びんで楽しむ、うまさ辛口。
アサヒスーパードライ
と書いてある。「生」を薦めるのは当たり前だけど、「びん」バージョンもあったとは。
なんでこれが目についたかというと、その前にこの記事を読んでいたから。
日経有料会員の記事にある図を、ぜひ見ていただきたいもの。
転記しますとこういうことです。
- ダイヤモンドダイニング(わらやき屋など約220店)
→業態により4社使い分けていたのを、アサヒビール1社に。- チムニー(はなの舞など約700店)
→アサヒ、キリン併用だけどアサヒ優勢。- コロワイド(甘太郎など約2100店)
→サントリーからアサヒに切り替え。- 居酒屋鳥貴族(約350店)
→キリンからサントリーに切り替え。- ワタミ(約650店)
→アサヒ、サントリーを引き続き併用
記事では、サントリーと長年のつきあいだったコロワイドが、アサヒに切り替えたのが大きいとありますが、それ以上に、アサヒとサントリーの猛攻の前に、キリンが防戦一方であることがわかる。
事実昨日行った店「鐵一」は、PIZZA-LAや柿家鮨を展開する株式会社フォーシーズの経営ですが、生ビールはキリン一番搾り。
でも、びんはスーパードライ。
アサヒとすれば、いきなり「生をうちに切り替えましょう」ではなく、「まずはびんをうちに……」と入り込む。ルートさえできれば、あとは営業の能力次第。「鐵一」の生が切り替わるのも時間の問題か……。
若者のビール離れ、アルコール離れにより、家庭用消費に天井感が見えた今、業務用はビールメーカーの主戦場ともいえる。
今年のビール業界はプレミアム戦争とともに、業務用の戦いも激しくなりそう。キリンは「一番搾りプレミアム」をギフト専用と位置づけているようですが、そんな呑気なことも言ってられないはず。存在感を増すアサヒ、サントリーに、キリンははたしてどのような対抗策を繰り出してくるのでしょうか。