経営とは自分を乗り越えていく分身を作ること

江副浩正没後1年

13031710江副さんが亡くなって1年たったんだよね」

facebookで昔の仲間の誰かが、そんなことを書き込んでいた。
そうか、もう1年たったんだなと。お別れの会は、春のお彼岸の頃だったから、もう少し先だと思っていた。亡くなられたのは2月8日でした。

それが心のどこかに残っていて、一昨日の講演の冒頭、簡単に自己紹介をする中、当然自分がリクルート出身であることにも触れ、その流れで、リクルート事件前の社是だった、

自ら機会を創り出し、
機会によって自らを変えよ

という言葉も紹介しました。趣旨とは全然関係なかったけれど。
関係なかったのだけれど、聴衆の多くは浜松周辺の経営者の方々。「江副浩正という人物はそんなことを言ってたんだ」と記憶だけしていただければありがたいなということで。

リクルート出身者のことが、マスコミなどで語られることが多いけれど、仲間うちで結局我々は何なのだということを考えると、最終的にこの「自ら機会を~」に行き着くように思います。
そういう意味で、我々は江副浩正の分身になったのかもしれない。

リクルートという幻想 (中公新書ラクレ)
 

経営とは?

「経営とはなんぞや?」という問いかけには、さまざまな答えがあるはず。それこそ全国数百万ある会社の代表1人1人答えが違うはず。「利益を出し続けること」という答えをする人もあれば、「広く社会に貢献すること」と答える方もいるかもしれない。
私は、

自分を乗り越えていく分身を作ること

ではないかと思っております。

会社というものは、「この製品(サービス)をもって、世に貢献したい」という思想を持ってスタートする。経営者として、自社製品が世に受け入れられたら嬉しい。売上が上がる。利益が出る。給料が上がる。嬉しい。
そうしたら工場を作る。支店を出す。従業員を増やす。ファミリーが増えた気分になる。やはり嬉しい。

ただ、製品・サービスに対するニーズは時代とともに変化する。売上が低迷する時期は必ずや来る。それに合わせて会社も変化させねばならない。そこが難しい。
そういう難局を乗り切るには、経営者1人の力では難しい。それができてしまう方はごくわずか。だからこそ、「あぁ、オレがもう1人欲しい」と思う経営者は少なくないはずです。

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方
 

自分の分身

自分と同じ能力を持つ分身。これは誰でも考える。問題はその分身が、自分と同じ思想も持ってくれること。
その分身とは、営業成績が抜群で会社の利益拡大に貢献するだけの人物では足りない。会社そのものの発展は、営業だけではないですから。経営者が考えることは山ほどある。

だから経営のことを突き詰めていくと、稲盛和夫さんの「盛和塾」のように哲学的なところに行き着いてしまう。技術や仕組みではなく、精神的なものが経営の多くの部分を占める。

 

稲盛和夫のフィロソフィー

こちらに稲盛さんのフィロソフィーが箇条書きにされております。

フィロソフィキーワード | 経営哲学 | 創業者 稲盛和夫

これを見る限り、経営者自身の意識をどう高めるかが中心のようで、会社として最大の問題である後継者育成について、表立っては書かれていない。稲盛さんの著書は特に読んだことはないので、後継者問題にどのようなご意見を持っているのか存じ上げませんが、江副さんはその点について明確に語っています。

生き方―人間として一番大切なこと

 

マネージャーに贈る20章

昨年の没後、リクルートで昭和40年代か50年代に配布されたマネージャー向け社内誌の文章が、ネットにアップされておりました。「マネージャーに贈る20章」というものですが、その1つにこんなことが書かれていました。

我社は永遠の発展を願っているが、それは後継者たちの力のいかんにかかっている。後継者の育成も、マネージャーの大切な仕事である。自分が脅威を感じるほどの部下を持つマネージャーは幸せである。

人間とは元来ひがみっぽいもので、それは後輩の華々しい活躍を疎ましく感じ、イジメをする部活動を見れば明らか。

一般の社会人も同じこと。働き盛りには一時的にそれが抑えられますが、歳を重ね、自らの衰えを自覚するようになると、輝ける未来のある若者を妬む。「自分が脅威を感じるほどの部下」を、むしろ蹴落とそうとしてしまう。そしてそんな部下は去ってしまう。

ダイエー中内功はこれをやってしまった。中内さんに直言する部下を次々排除した。だからダイエーは生き永らえなかった。
ユニクロ柳井さんはどうなのでしょう。楽天はどうなのでしょう。ソフトバンク孫正義氏は後継者育成を大募集していましたが、順調に育っているのか。

経営とは、自分と同レベルではなく、自分を上回り、乗り越えていく分身を作ること。これができれば会社は永続する。
会社を去った者たちから、あーだこーだと文句をつけられるようではいけない。OBたちが、「今何やってるのかわからない」とボヤくくらいでちょうどいい。

リクルートは、私のいた頃とは全く異なる事業を中心にしている。文句を言おうにも、どう言ったらいいかすらわからない。
つまり、これが正しい姿なのであります。

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      2014/10/16

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