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「鉛筆」を使っていますか。このペーパーレス時代(といってよいのか、やや疑問もあるが)に、「鉛筆」を売っていくためには、どのようなことをすればよいのでしょうか。
最初に言ってしまうと、シャーペンやボールペンは、我々の業務に身近なところで、「謝礼品」で使うということがありますが、「鉛筆」を謝礼になんてことは、まずありえないでしょう。どうしたらよいのでしょうか。
しかも、Eメールやワープロなどもあって、どう考えても、需要が伸びる要素はありえないと思います。このままなくなってしまうのでしょうか。
三菱鉛筆、トンボ鉛筆などの担当者になった気持ちで、お考えください。
これはやはり「観覧車」と同じように「仕掛け人」が必要でしょう。
例えば、握り心地を改善するとか、キャラクターをプリントするとか、においをつけるなど、いくら商品を工夫しても鉛筆という形態をとる以上、限界は見えています。
ここは商品開発より、市場開発です。
元々、鉛筆は文字を書くためのものでしたが、文字から脱却しなければ、パソコンが氾濫する今の世の中での勝ち目はありません。
鉛筆が生き残る為には、「文字」から「絵」の世界に転換する必要があるでしょう。
最近は、コンピュータグラフィックスやDTP系ソフトが向上し、絵もパソコンで作ることができます。
しかし、絵は単なる連絡手段の文字と違い、様々な形態を持つことができます。シャーペンなどでは出せない、あの微妙なラインは、必ずや鉛筆画というジャンルを確立できるはずです。
近年、パソコンが普及するのと同じように自然志向の人が増えています。この流れに乗って、絵にも自然志向のブームを起こすのです。
例えば、今までエアブラシなどを使っていた有名イラストレーターに、鉛筆でイラストを書かせます。そんなことを、何人かのイラストレーターにお願いし、まず、鉛筆画の存在を作ります。
そして、雑誌などで、「誰にでも書ける鉛筆イラスト」(副題 鉛筆と和紙を使った自然派アート)なんていう特集を組んで、今まで「絵って一度は画いてみたいよなー」なんて思っていた人々を、振り向かせるのです。
実際、炭を使って線だけで表現したデッサンなんかも、額に入れると、結構見栄えがします。であれば、鉛筆を使って材料をイチから揃えることなく、誰でも簡単に絵が画けるというのは、結構イケルのではないでしょうか。
もうひとつの案は、教育機関への進出です。
小学校の図画工作の最初は、「鉛筆削り」を行い、自分で削った鉛筆で、絵を画かせるというプログラムになるように働きかけるのです。中学の美術の時間でも構いません。それにより、毎年1学年の人数分の鉛筆は、必ず売れるようになります。
どれも、すぐに使える案ではありませんが、このまま苦しい商品開発を続けるよりましだと思います。鉛筆業界だけで考えるのではなく、どうにかして他の世界を巻き込まなければ、いつか鉛筆はなくなるでしょう。

なるほど。たしかに、図工と合体させることは、斬新なアイデアといえましょう。鉛筆を、「字を書くモノ」としてではなく、「描くモノ」と捉えるわけですね。用途のイマジネーションが広がりそうです。
ここで、鉛筆の機能を、さまざまな面から分類すると、どのようになるでしょうか。その特性から、長所・短所を浮き彫りにしてみましょう。
まず、鉛筆の最大の特徴として、「消せる」ということがあります。これは、ボールペンや万年筆、マジックなどにはない重要なポイントです。消しゴムさえあれば、何回でも書き直せます。
2つめは、これが意外と重要だと思うのですが、「公的機関承認」ということです。私が受験生だったときに、試験の回答は「鉛筆で、シャーペンは不可」とありました。どうしてだったのでしょう。
絶対に、シャーペンの方が安定して書けるし、しかも、芯が折れても心配ない。鉛筆の良い点は、「タッチが柔らかいこと」や「紙を痛めない」ということが考えられますが、試験にたいそうな影響があるとも思えません。これはおそらく、鉛筆業界が文部省にロビー活動をしているのではないか、と思ったものです。
3つめは、最大の欠点でもあるのですが、「削らなくてはいけない」ことです。これは、致命的です。
ナイフで鉛筆を削るということを、今の子供の何人ができるのか疑問です。そして、この「環境保護」の時代に、誰がどう考えても、森林伐採をせずに作ることが、絶対に不可能な『鉛筆』は、時代の流れに逆行しているともいえます。
仮に、この点に着目して、商品アイデアを考えるとしましょう。木を切り倒さなくては作ることが出来ない鉛筆というものは、このように「極めて贅沢な筆記用具」であるわけですから、「プレミアム性」が高いことになります。だから、「縄文杉から作られた鉛筆」とか、「白神山地直送の鉛筆」とか、環境保護団体には到底聞かせられないような鉛筆を作って、「1本千円」くらいで売ってしまうと。1箱ではなく、「1本千円」です。
このような、横暴ともいえる価格設定をすると、確実に世間の目は向いてくれます。
もうひとつの、鉛筆の欠点は「モバイル性」がないことですね。
卓上に置いて使う分には、まだよいですが、普段持ち歩くことは、非常に困難です。ボールペンなどのように、「胸に刺して持ち歩くことは不可能」ですから、「筆入れ」が必要になります。ですから、本気で鉛筆を活性化するには、この辺の「筆入れからてこ入れ」(まるで常套句のようだ)をしなくてはならないでしょう。ビジネスマンが、おもむろにカバンから筆入れを取り出し、鉛筆をジャラッと並べて、「今日は屋久島の縄文杉で書くか…」と使わせる。
鉛筆自体の機能を変えてしまうこと意外に、周辺から変えることも必要かもしれません。
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