四日目: 回転グルメが流行する理由


回転寿司。食べますか? 私は好きです。ところが、最近では(2〜3年前から)、「回転なべ屋」も出来ています。「回転グルメ」と言われているようですが、なぜ「回転系」が流行しつつあるのでしょうか。消費者は、何を考えて、回転系の飲食店に入るのでしょうか。

回転が流行るのは、ひとつは、「安い」というイメージが確立されているからではないでしょうか。通常、「安い」との宣伝に力を入れるか、価格を、誰にでもすぐに分かりやすく表示するかしなければ、その店が「安い」かどうかは、分かりません。

しかし、「回転」と付けただけで、間違いなく「安い」というイメージを持つはずです。車で通りかかっても、すぐに「安い」ことだけはわかる。安心して入れる。吉野家のオレンジの看板みたいなものです。

ただ、これは初期段階の客寄せにのみ有効。

最近の人間は、以前より、人とのコミュニケーションを嫌うというのが、2つめの理由ではないでしょうか。

スーパーマーケットやコンビニなどの増加で、昔に比べ、コミュニケーションをほとんどすることなく、買い物が出来るようになったせいで、現代人はコミュニケーションが苦手である、というような記事を、以前に見ました。

回転であれば、店員と接する機会も、最小限に押さえられ、しかも、自分の好きなものを、自由に食べることができる。特に、「寿司」などは、通常の店であれば、敷居が高い上に、値段も高く、ある種の緊張感を要します。
それが、「回転」にすることにより、安いものでも気がねなく注文することができ、作法などを気にすることなく、自由に食事をすることができる。要するに、落ち着いて食事ができるということです。

3つめは、子供が楽しめるということではないでしょうか。回転という機構自体、子供にとっては楽しいでしょう。また、何より普段「好き嫌いはダメ」だとかいわれて、家庭でも、学校給食でも、決まったものを食べさせられていたのが、自分でセレクトできる喜びは、大人の想像以上だと思います。子供がいる家族にとっては、子供が喜ぶということは、大きな理由になるでしょう。

私自身、「回転」にあまり行った事がないので、これ以上、思いつきませんが、現段階で思うことを書きました。これについては、キッチリしたマーケティング戦略が間違いなくあると思いますので、その辺の本を読んでもう一度回答します。

最近の人は、コミュニケーションを嫌う。最大の要因は、これしかないでしょうね。私も、寿司は好きなのですが、なかなか気の合う寿司屋の主人はいないです。むしろ、「お前の薀蓄なぞ、聞きとうないわい」と、心で叫びたくなるような、オヤジが多いです。
その反面には、すし屋での行儀作法が、わかっていない、教えてもらうのも気恥ずかしいという理由もありますが。

回転寿司をやる経営側の利点は、何でしょうか。
経営側からみれば、お客様とのコミュニケーション能力を問わずに、店員を採用できるわけですから、採用の幅は広がります。
今まで、「自分は寿司屋になるんだ」と意気込んでいたけれど、コミュニケーション能力が足りないばかりに、一人前になれなかった人を、救済してあまりある店舗です。
つまり、経営側にとっても、お客側にとっても、一石二鳥にも三鳥にもなる店舗。これが、「回転寿司」の利点ではないでしょうか。

ところが、「回転鍋」など、調子に乗ってしまう店は、必ず出てくるものです。
前記の回転寿司の利点は、「寿司」という「特殊技能」を必要とする食事についてのみ、適用できるものです。「鍋」なんて、全くの正反対。むしろ、「誰だって作れる料理」でしょう(レシピさえ間違えなければ)。
だから、寿司以外の回転系料理屋でも、その料理を作ることに、特殊技能を必要とするものでない限り、必ず失敗するでしょう。繁盛するように見えても、それは一過性のブームにすぎません。絶対に失敗します。「回転飲茶」「回転定食屋」などなど、成功する理由は考えにくいです。

 

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